牧師の小窓(125)人生とジグゾーパズル 福江等

2018年3月25日19時18分 コラムニスト : 福江等 印刷
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レイチェル・N・レーメンという女性の精神科医が、子どもの頃の思い出を本(『Kitchen Table Wisdom』)の中で語っておられます。ある時、お父さんがお母さんの誕生日のプレゼントとしてジグゾーパズルを買ってきたのです。お父さんがそのゲームのピースを箱から出して全部居間のテーブルの上に積み上げました。まだまだ3、4歳であったレイチェルには、ジグゾーパズルが何であるかよく分かりませんでした。

それでもレイチェルは、自分も何とか参加してみたいと思ったのです。ある朝、1人で居間にいたときに、テーブルの上にあるたくさんのピースを見ていました。それぞれのピースは小さくて、明るい色のものもあれば、暗い色のものもあります。暗い色のピースは何だかクモみたいで、まだ小さい女の子は気持ち悪くなりました。それで、そのような気持ち悪いピースばかりを幾つか集めて、それらをソファの隅の方に押し込んで隠したのです。その時からいつでも居間に自分1人だけのとき、暗い色のピースばかりを少しずつ集めてはソファの隅に押し込んでいったのです。

そのために当然、お母さんたちがそのジグゾーパズルを完成させようとしてみても、どうしてもうまくいきません。そのうちお母さんは、ピースがひょっとして足りないのでは、と思って数え始めました。すると、案の定100ピースぐらい足りなかったのです。完成できないはずです。お母さんはレイチェルが知っているかどうか尋ねました。レイチェルは、彼女が嫌いだったピースをソファの隅に押し込んだことを正直に答えました。お母さんたちが全部のピースを集めてその絵を完成してみると、レイチェルはびっくりしてしまいました。それはなんと、目の覚めるような美しい浜辺の景色だったのです。

レイチェル・レーメン氏はその経験から言います。私たちの人生には、幸せな事やうれしい事とともに、悲しい事やつらい事もある、そして悲しい事やつらい事を記憶の隅に押し込んでしまうことが多いのだが、人生全体を見るとき、そういった事柄も大切な経験であって、人生を素晴らしいものにする上でなくてならないものなのだ、と。ですから、避けようとするのではなくて、むしろそういった経験もまた神様からの大切な贈り物として受け止めたいものです。

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福江等

福江等(ふくえ・ひとし)

1947年、香川県生まれ。1966年、上智大学文学部英文科に入学。1984年、ボストン大学大学院卒、神学博士号修得。1973年、高知加賀野井キリスト教会創立。2001年(フィリピン)アジア・パシフィック・ナザレン神学大学院教授、学長。現在、高知加賀野井キリスト教会牧師、高知刑務所教誨師、高知県立大学非常勤講師。著書に『主が聖であられるように』(訳書)、『聖化の説教[旧約篇Ⅱ]―牧師17人が語るホーリネスの恵み』(共著)など。

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