【米国=Christianpost.com】米東部マサチューセッツ州は十七日、同性同士の結婚を認め、米国内で同性愛カップルに対して婚姻証明書を発行する初の州となった。同州内の市や町の役場では十七日午前零時と同時に同性愛カップルが婚姻届を提出、同日未明までに婚姻証明書が手渡された。
同州で同性婚を「結婚」として認めたことで、同性婚反対者と賛成者との間に今後一層の議論がなされると見られている。
州議会には家庭保護団体やキリスト教団体が集まり、全米五十州を対象とする合衆国憲法の「婚姻」の定義から同性婚を明確に排除するよう改正を訴えた。
米国東部コネチカット州のコネチカット家庭機構から集まった同性婚反対者およそ百人が十六日、マサチューセッツ州の決定を非難するデモ行進を行った。同機構のブライアン・ブラウン理事は「同性婚支持者の主張は、男女の違いによらず、子どもが『パパ』と『ママ』を求める声にも耳を貸さず、西洋文明を根底から覆そうとしている」と話した。
同理事は、同性婚の禁止条項支持の署名運動に協賛しており、集められた九万人の署名を十七日付けでコネチカット州知事に提出し、マサチューセッツ州の決定が全国に波及するのを未然に防ぐよう要請した。
バプテスト・プレス誌(発行元=米国南部バプテスト連盟)は、証明書を受け取ったカップルが婚姻証明書の有効性を他の地域でも主張できる法的基礎が整った、と報じ、現実に訴訟が起こった場合、同性愛者に有利な判決が下りる可能性が出てきた、と述べている。
米クリスチャンポスト紙によると、同性婚を擁護する人々が実際に各地で法律事務所に殺到しているという。
同性愛者のマンティラさんは「我々は市民権を要求しているだけであって、宗教に対する侵害行為や信教の自由の否定ではない」と強調している。
一方、アフリカ系米国人の教会教職者の大部分は、同性婚と市民権は同問題ではないと主張している。
カリフォルニア南部の二十一の教会が加盟するゾー・クリスチャン・フェローシップのフランク・ステュワート牧師は「同性愛者はアフリカ系米国人のように奴隷や虐待を経験したことがない。平等権の言及は我々に対する侮辱だ」と話した。
同日、ワシントンD.C.ではアフリカ系米国人で最も著名な牧師たちが集まり、合衆国結婚条例の支持を訴えた。
現在、全米のアフリカ系米国人教会間で「結婚」を保護する法律の制定に向けて草の根的な努力がなされており、各州から二、三の教会が加盟する連絡会の設置が急がれている。
伝来の結婚を支持する伝道家のフレデリック・プライス牧師は、自分が「同性愛者個々人に対して何一つ敵対心を持っていない」と話す一方、「結婚は神がお創りになり証人となられた、神聖な結合である」と語った。
同牧師は聖書の文を引用して「同性愛は忌まわしき行為である」と断言し、「これはキリスト者である全民族にとって重要な問題である」と主張した。
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