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牧師の小窓(79)映画「沈黙」を見て6 俳優アンドリュー・ガーフィールド氏が言わんとしたこと 福江等

2017年5月7日06時58分 コラムニスト : 福江等 印刷
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+映画「沈黙」はクリスチャンにとってどんな意味を持つのか
「沈黙-サイレンス-」配給:KADOKAWA Photo Credit Kerry Brown
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映画「沈黙」について最後に一言だけ気になっていることを付け加えたいと思います。

ロドリゴ神父役を見事に演じた俳優アンドリュー・ガーフィールド氏が、あるテレビ番組の司会者に、あの映画を演じてみてどのような印象を持ったかと聞かれたとき、彼は次のように答えました。「確信を持つということは最も危険なこと。それは戦争を引き起こすこともある」

この言葉に、会場にいた人々から大きな拍手が湧き上がりました。ガーフィールド氏が意味していたことは明らかです。あの江戸時代に宣教師として日本に潜伏して宣教を貫こうとしていたイエズス会の神父たちは、強い確信のもとに命を懸けて使命を遂行していました。そのために、実際に多くの神父たちだけでなく、日本人キリシタンの多くも迫害に遭って殉教してしまいました。

ガーフィールド氏が言わんとしたことは、現代の世界を見渡すとき、イスラム過激主義が「イスラム国」(IS)のようなテロ集団を生み出し、強い確信のもと、戦闘を繰り返しており、これまでの人間の歴史は政治的宗教的イデオロギーの「確信」の違いが戦争を生み出してきたのだから、「確信」ほど怖いものはない、ということです。

これが真理で、これ以外に真理はない、ということを信じることが確信であります。そのような強い確信を持つと、異なる信条や宗教やイデオロギーを受け入れられなくなるから、おのずとそこに争いが生まれる。そこが、確信というものが持っている恐ろしさである、と言わんとしたのでしょう。キリスト教やイスラム教、さらにユダヤ教のような一神教が批判されるのがこの点であります。

それでは、私たちは「確信」というものを持たずに、どのような信条でもイデオロギーでもすべて受け入れて、ユニテリアンのようになればよいのか、という問題になります。そこが重要な点であります。

真の信仰には、必ず確信が必要です。確信のない信仰には何の力もありません。キリストが唯一の真理である、という確信を持ちつつ、他の信仰や宗教に対して心を開き、愛と寛容の心で理解していこうという姿勢を持って生きることは可能であるし、現代に生きる信仰者はそのように生きる必要があるというのが私の考えです。

つまり、確信は必ずしも排他性につながる必要はなく、寛容につながることができると思うのです。皆様はどう思われますか。

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福江等

福江等(ふくえ・ひとし)

1947年、香川県生まれ。1966年、上智大学文学部英文科に入学。1984年、ボストン大学大学院卒、神学博士号修得。1973年、高知加賀野井キリスト教会創立。2001年(フィリピン)アジア・パシフィック・ナザレン神学大学院教授、学長。現在、高知加賀野井キリスト教会牧師、高知刑務所教誨師、高知県立大学非常勤講師。著書に『主が聖であられるように』(訳書)、『聖化の説教[旧約篇Ⅱ]―牧師17人が語るホーリネスの恵み』(共著)など。

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