直前まで後藤健二さんと行動を共に マームッドさん「シリアは地球上で一番危険になってしまった」

2015年10月29日12時56分 インタビュアー : 守田早生里 印刷
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+拘束直前まで後藤健二さんと共に マームッドさん「シリアは地球上で一番危険になってしまった」
後藤健二さんの解放を願って現地シリアでも多くの祈りがささげられた。(撮影:Sami Meshaal)
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後藤健二さんの友人で、後藤さんの行方が分からなくなる前日まで行動を共にしていたというシリア人男性モハメド・マームッドさんが、本紙のインタビューに答え、後藤さんへの思い、また現在のシリアの状況について語った。

― 後藤健二さんに初めて会ったのはいつですか?

彼とは昨年1月、トルコのガズィアンテプで友人を介して知り合いました。当時、私の住むシリアのアレッポは、自由シリア軍と「イスラム国」(IS)の戦いが激化していて、近づくことさえできなくなっていました。

― 後藤さんについて特に印象に残っていることは?

健二さんは、苦しい状況で生活する人々にいつも目を向け、信仰にもあつい人でした。夫として愛され、また子どもたちにも愛されていたことでしょう。残念なことに、一番小さいお子さんとはあまり多くの時間を過ごせなかったようですね。

ある日、アレッポから中継しようとしていたとき、街中に「たる爆弾」が2つ投下されました。たくさんの犠牲者が出て、アレッポの街は変わり果てた姿になってしまいました。健二さんは「どうしてこんなことに・・・」と言いながら、私の腕の中で泣いていました。

― 信仰について、彼と深く話したことはありますか?

いいえ。しかし、食事の前に静かに祈りをささげていたのを知っています。私たちは、彼のそんな姿に敬意を払っていました。

― 最後に後藤さんに会ったのはいつですか?

2014年10月24日です。その4日後の28日にはガズィアンテプのホテルで会う約束をしていました。

 ― 日本に住む人々に伝えたいことは?

そうですね・・・。奥様とお母様には、本当に申し訳なく思っています。私たちは、彼を引き止めることができませんでした。あの恐ろしい場所へと送ることを阻止することができませんでした。この紛争は、彼には関係ないにもかかわらず、彼は命を落としてしまいました。私たちは、何度も彼と共に取材に出掛け、その度に彼の命を守ってきました。しかし、こんなことでそれが無駄になるなんて・・・。今回も、彼らから何度も健二さんの身柄を渡すように交渉をしてきたつもりでした。しかし、なぜか私たちにも分からないのですが、全く異なる方向へと事が運んでいってしまいました。

拘束直前まで後藤健二さんと共に マームッドさん「シリアは地球上で一番危険になってしまった」
アレッポの街に「たる爆弾」が投下された直後。子どもたちが学ぶ学校が無残な姿に。(撮影:Sami Meshaal)

― 現在のアレッポの様子を教えてください。

アレッポは、この地球上で一番危険な場所になってしまいました。現在は、2つの街に分かれています。アサド政権派と反体制派の2つです。双方ともに多くの市民が犠牲になっています。しかし、ここにも市民の生活はあるのです。子どもたちは学校へ通い、ロシア空軍が爆撃を繰り返す中でも商店や市場が開かれています。私が想像するに、ちょうど日本の第二次世界大戦中の頃とよく似ているのではと思います。

― シリアから逃れようとする難民はどんな様子ですか?

紛争が起こり、人々が殺し合い、希望を失ったこの土地から逃れようと、まるで津波のように、多くのシリア人が難民となって家を追われています。1200万人の人々が住む場所を求めて、トルコ、レバノン、そして欧州へ渡っています。

― マームッドさんの家族はどうなさっているのですか?

私は39人もの親類を亡くしました。シリアに安全な場所などないのです。特に、ロシア軍が軍事介入をしてからは、さらに激化しています。私の妹と子どもたちは、2つの国に分かれて、欧州で難民になりました。

マームッドさんは現在、シリア国外に避難しているというが、近々シリアに戻る予定だと話した。理由を尋ねると、「シリアとシリアの未来のために。僕が向かう場所が危険かどうかなんて、関係ないんだ。日本の『サムライ』や『カミカゼ』と一緒さ・・・」という答えが。「神のご加護を」としか言葉が出なかった。

この国の戦争はいつ終わるのだろうか? この国に平和はいつ訪れるのだろうか? 平和な日本に住むキリスト者にできることとは、一体何なのか? 祈ることが、彼らの最大の支えになることを信じて、シリアの地に心を寄せて祈りたい。

「いと高きところには栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」(ルカ2:14)

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