キャロル・ウォード宣教師がチャドで組織したのが「祈りの軍隊」と「宣教師訓練学校」だ。この働きにより、すでに150人以上の現地チャド人宣教師が育成され、中には元ボコ・ハラムのメンバーがおり、スーダン難民キャンプで200人以上を洗礼へと導く者たちが現れている。彼らは死を覚悟した精鋭たちだ。(第1回から読む)
この「祈りの軍隊」の最前線に立つ兵士の一人、ディグバ・カタラ牧師は、まさに「カオス(混沌)」のただ中へと突き進む路傍伝道者だ。彼は教会の中で人々が来るのを待つようなことはしない。自身のバイクにまたがり、喧騒と砂埃が舞うチャドの首都ンジャメナの街路へ、自ら飛び込んでいく。
過去5年間にわたり、ディグバ牧師は街の至る所でオーディオシステムとマイクをセットし、フランス語や現地のアラビア語で、大胆にイエス・キリストの福音を宣言し続けている。チャドの人口の半分以上がムスリムであり、イスラム過激派の脅威が潜むこの国で、これは命懸けの行為だ。
「時には人々は非常に反抗的で、対立することもあります」とディグバ牧師は語る。「しかし、私たちが神の言葉に固執し、諦めずに語り続ける姿を見るとき、人々はその熱意を知り、やがて耳を傾け始めるのです」。彼の声は市場や賑やかな道路に響き渡り、多くの人々が足を止め、聞き入る。そして驚くべきことに、その場でキリストに人生をささげる人々が後を絶たないのだ。「本当に尋常ではないことが起きているのです」と彼は目を輝かせる。
さらに、この軍隊にはアブドラ・マハヤンガ氏のような、キリスト教を敵視する陣営から召された驚くべき兵士もいる。彼はかつて熱心なムスリムであり、1日5回の礼拝を欠かさず、ラマダンには断食をし、キリスト教徒を激しく憎んでいた。それだけではない。彼の父親は、サヘル地帯でキリスト教徒を標的にして殺害するための訓練を受けていた。筋金入りの過激派の一員だった。
しかし今、アブドラは憎しみではなく、福音にある「希望」を携えて、かつて父が標的とし、自身も憎んでいたのと同じ地域を歩いている。彼はテロと恐怖が支配するこの地で、全く別の現実を見ている。「今日、これらの国々の多くのムスリムが、福音に耳を傾け、心を開いています。神はサヘルで本当に働いておられ、イエスのもとに来る人々が大規模に起こされており、彼らの人生は変えられているのです」
アブドラやディグバ牧師のような、数え切れないほどのチャド人信者たちが、敵の領域を切り開く先兵となっているのだ。(続く)
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