2025年11月22日14時12分

聖書のイエス(22)良い牧者 さとうまさこ

コラムニスト : さとうまさこ

聖書のイエス(22)良い牧者 さとうまさこ
フルカラー聖書漫画『聖書のイエス』より

わたしは、良い牧者です。良い牧者は羊のためにいのちを捨てます。(ヨハネの福音書10章11節)

「良い牧者」とは、イエスご自身のことです。「良い牧者は羊のためにいのちを捨てます」と言われたのは、ご自身が十字架にかかり、人間を救うことを指しています。

イエスの死は決して無駄なことではなく、イエスが私たちの罪の身代わりに死ぬことにより、信仰者は罪を赦(ゆる)され、永遠の命を得たのです。他の宗教との大きな違いは、イエス・キリストが言葉だけでなく、自ら行動でその愛を示されたことにあります。

「良い牧者」とは、①羊を狼などの危険から命を懸けて守ります。旧約聖書のダビデも羊飼いで、熊やライオンと戦い、羊を守りました。イエスも、私たちを救うために十字架にかかり、命を捨ててくださいました。

②良い牧者は、羊を呼んで導きます。羊も主人である牧者の声を聞き分けてついていきます。羊の命は、羊飼いの能力と誠実さにかかっています。イエスは私たち一人一人を完全に知っておられます。父なる神がイエスを知り、イエスが父なる神を知っているのと同じです。

③主は、イスラエルの民でない他の羊(異邦人だが霊的にはイスラエルの民)も、最終的に一つの群れとして一人の牧者(イエス)のもとに集めます。

わたしは良い牧者です。わたしはわたしのものを知っています。また、わたしのものは、わたしを知っています。(ヨハネの福音書10章14節)

雇い人は羊の所有者でないので、狼が来ると、自分の身を守るために羊を置き去りにして逃げてしまいます。それは、羊を大切にしていないからです。

イエスは当時の律法学者やパリサイ人たちを、民衆を利用して私腹を肥やす「盗人」と批判しています。彼らは神の民であるイスラエルを養うべき牧者でありながら、羊たちを散らし、顧みなかったのです。

それとは違い、イエスは自分の羊たちのために命を捨て、十字架の死により羊たちの罪の贖(あがな)いを完成されました。

人は弱い羊のような存在です。良い牧者の導きにより、守られる必要があります。イエスは、私たちに豊かな命を与えるために天から来られ、私たちを愛し、命を捨てて救いを完成してくださいました。

まことの羊飼いであるイエスに感謝します。

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さとうまさこ

さとうまさこ

1990年、ちばてつやプロダクションに入社。イエス・キリストに出会い、91年に受洗。98年から週刊少年マガジン連載漫画家のアシスタントを務め、2010年に聖書漫画家として活動を開始。日本リバイバル同盟清瀬キングダムチャーチ執事、キングダム出版イラストレーター。著書に『聖書のイエス』『イエス最後の7日間』『天路歴程』『イエス・キリストの誕生』ほか。