2019年6月15日20時12分

なにゆえキリストの道なのか(199)キリスト教のいう愛とはどういう愛か? 正木弥

コラムニスト : 正木弥

キリスト教のいう愛とはどういう愛か。

愛にはおよそ4種類あるといわれています。A)アガペーの愛、B)エロスの愛、C)ストルゲーの愛(肉親の関係による愛、自我の延長でもある)、D)フィレオーの愛(尊敬・共鳴による愛)です。このうち、AとBが典型ですから対照させて記述してみましょう。

A)アガペーの愛 B)エロスの愛
・相手の何かに惹かれるからでなく、愛すべきだから愛すという意志の愛 ・相手の容貌か何かに惹かれるもの、好きだという感情の愛
・愛そうとする自発的な愛 ・惹かれるという意味で、受身の愛
・相手が変化しても、状況が変化してもその愛は変わらない。 ・相手の態度が変われば愛から憎しみに変わるかもしれない。相手の何か(例えば容貌)が変われば他の人に移っていくかもしれない。
・一方的愛。相手がどうであれ、仮に相手が愛してくれなくても、相手が悪をなしても、愛し続ける愛。 ・相互的愛。相手も愛してくれるから愛する愛。仮に相手が自分を見限ったり、悪をなすなら破綻する愛。
・その愛によって苦しむことがある愛 ・その愛によって陶酔・喜びを得ようとする愛
・相手に何かを与えようとする愛 ・相手から何かを得ようとする愛、奪おうとする愛
・何の益もない、報われることのない愛、無償の愛 ・相応の何かを期待する愛(利己的愛)
・イエス・キリストの十字架の死において典型的に示された愛、聖書が勧めている愛 ・この世の人が普通にいう愛、生まれつきの人が持つ愛

キリスト教がいうアガペーの愛を一言で定義するなら、相手が究極の幸福(天の御国での永遠のいのち)を得られるよう、考え、計ってあげることです。

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正木弥

正木弥

(まさき・や)

1943年生まれ。香川県高松市出身。京都大学卒。17歳で信仰、40歳で召命を受け、48歳で公務員を辞め、単立恵みの森キリスト教会牧師となる。現在、アイオーンキリスト教会を開拓中。著書に『ザグロスの高原を行く』『創造論と進化論 〜覚え書〜 古い地球説から』『仏教に魂を託せるか』『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』(ビブリア書房)など。

【正木弥著書】
『仏教に魂を託せるか 〜その全体像から見た問題点〜 改訂版』
『ものみの塔の新世界訳聖書は改ざん聖書』
『ザグロスの高原を行く イザヤによるクル王の遺産』(イーグレープ)
『創造論と進化論 〜 覚え書 〜 古い地球説から』
『なにゆえキリストの道なのか』

【正木弥動画】
おとなのための創作紙芝居『アリエルさんから見せられたこと』特設ページ