2019年2月28日10時07分

新・景教のたどった道(4)景教研究の支援者 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

新・景教のたどった道(4)景教研究の支援者 川口一彦
改訂新装版『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』

景教研究の支援者

私の景教研究の支援者は、イーグレープ社長の穂森宏之氏です。穂森氏は、私が1975年にバプテスマを受けてキリスト者になり始めた頃、いのちのことば社直営のライフセンター名古屋書店で働かれ、やがて移動され、宣教文化事業部部長の重職を担い、恵みシャレー軽井沢を立ち上げられました。

私が名古屋店に行き、いろいろなキリスト教書を購入する中、よき交わりと示唆を与えられました。そのようなことから、退職されて出版社の「イーグレープ」を創立されたお話を聞き、青表紙の『景教―シルクロードを東に向かったキリスト教』を出版するように導かれました。それが2002年8月1日のことでした。

穂森氏は『景教』出版記念特別企画として「景教の源流を探る西安5日間の旅」を開催してくださり、実物の景教碑を見ることができ、現地での景教講演や地域の福音教会にも訪問しました。中国文化を共に体験する機会を与えられた旅は、大きな経験でした。

私はキリスト者になる以前から書道をし、当然中国の漢代や唐代の詩をよく読んで味わい、いつかは李白や杜甫たちが生きていた中国に足を運びたいと願っていました。その念願がかない、大きな財産を得させていただきました。

この企画は2004年3月、2006年11月にも開催され、内モンゴルにのこされている元の時代の遺跡見学をはじめ、イーグレープ10周年記念企画として南インドのチェンナイ、コチンなどにのこる「使徒トマス遺跡」ツアーも開催してくださいました。誠に感謝の他ありません。

こうして祈りと願いが主である神様によってかなえられ、青表紙のものが絶版となり、改訂新装版として赤表紙の『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』を2014年6月に出版する運びとなりました。

イーグレープからは、私を含む元仏教僧らの回心記『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』や、『一から始める筆ペン練習帳』も出版されています。購入ご希望の方は、直接イーグレープにお問い合わせくださるか、ネット販売のアマゾンでも購入できます。

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※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
旧版『景教のたどった道―東周りのキリスト教』

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。