2018年8月13日16時50分

闇から光へ~的外れからの解放~(65)仕事探し 佐伯玲子

コラムニスト : 佐伯玲子

自分の弱さから、“的外れな信仰(墓信仰X)” を続けていたことで、次々と問題を引き寄せた上、占いや降霊という“非聖書的なもの”にも翻弄され、周囲も自分も散々振り回した揚げ句、離婚に至り、家庭は崩壊。にもかかわらず、「こうなったのは、幾つもの先祖の墓が移動されたり建て替えられたことで、先祖から来る力が途切れ、“気”が狂ったからだ ! 」と、なおも“Xの教理”を信じ込み、九州・四国と、時間とお金と労力を使って夫婦おのおのの先祖の墓参りをしましたが、結局、離婚を回避することはできませんでした。

結果を告げると、X教祖Y氏は「まだお参りをしていない墓があるのでは?」と言いました。そこで、以前から気になりながらも探すことをしていなかった先祖の墓を必死で探し、それが「小豆島にある」と分かると、再び息子と2人でお参りに行きました。

墓は2カ所だけでしたが、バスが約3時間に1本しか通っていない不便な所にあり、1日がかりの墓参を2日間にわたり行いました。が、・・・それも無駄な努力に終わりました。こんな愚かな娘の行動を、ずっと見守り、助けてくれていた母には感謝しかありません。

墓参りばかりをしているわけにもいかず、現実に目を向け、離婚に向けての手続きや、仕事探しに奔走しました。弁護士に30分間無料相談できる「法テラス」に出向きましたが、通り一遍の回答を淡々とされただけで、聞きたかった具体的な回答を得られないまま終わってしまいました。

就職活動は、役所や自治体が行っているハローワークに通ったり、ネットの求人情報を片っ端から検索し、応募資格に該当する所は、とにかく当たりました。しかし、「年齢不問」「未経験者大歓迎」と書いてあっても、「今は、20代しか募集していない」「今は、〇〇資格者しか採用できない」と、ことごとく断られました。“差別”というクレームが来ない対策として、求人広告の募集要項と実際条件が異なる企業がとても多いことを知り、がくぜんとしました。

また、知人から「TS(就職あっせん会社)は、働くママのために親身になって環境の整った職場を幅広い職種から紹介してくれる。自社で保育所も経営しているから安心」と聞き、「きっと何か見つかる ! 」と期待して面接を受けに行きました。ところが、私より一回り以上下であろうクールな女性スタッフが出てきて、持参した履歴書にはほとんど目も通さず、いきなり“スキルチェックテスト”を始めたのです。

タイムを計りながら、たくさんの問題集やパソコン操作の技能テストを、3~4時間休みなく行いました。それは、“事務のスキル”を見るだけのテストで、それ以外の職種は基本的には取り扱っていませんでした。“幅広い職種” ではなかったのです。当時、メールを打つことくらいしかできなかった私にとって、パソコン操作などのテストは、心身ともにヘトヘトになっただけでした。

帰宅後、情けなさと悔しさで涙が止まりませんでした。芸能界で培ってきたことが、一般社会ではまったく役に立たない。頑張ってきたつもりでしたが、「すべてが中途半端だったのだ。自分は何の価値もない、役立たず者だ」と、ひどく落ち込みました。悪魔は笑っていたことでしょう。しかし、めげている暇はありません。毎日のように「まだ仕事は見つからないのか?!」と元夫にも迫られていたので、「早く決め、家を出なければ」と焦りました。

さまざまな職種を巡り、やっと決まったのが「家事代行サービス」の会社でした。「家事なら私にもできる!」と一安心したのも束の間・・・私の体に、異変が起き始めたのです。

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佐伯玲子

佐伯玲子

(さえき・れいこ)

愛知県豊田市出身。名古屋造形芸術短期大学造形芸術科プロダクトデザインコース卒業後、役者を目指し上京。幼少より得意だった物まねを生かし、ホリプロお笑い部門第1期生として、バラエティーやドラマ、舞台などで活動。結婚後は、プレイヤーの他、脚本、演出、プロデュースといった制作活動を行う。26歳の時に出会ったカルトの洗脳により、離婚、度重なる病やけがで、生命危機一髪の2012年秋、イエス・キリストに出会い、22年間に及ぶカルト洗脳から救われる。2015年春より、神様から賛美を使って歌って踊るエクササイズ「賛美クス」を与えられ、フィットネスを通した伝道を行っている。教会はもちろん、ノンクリスチャンの人たちに、賛美の「力」と「神様に感謝をささげることの喜び」を、ステージパフォーマンスやレッスンを通して発信している。「主イエスの恵み教会」所属。

■ B.B Wonderland公式サイト