2017年5月16日07時08分

百人一読―偉人と聖書の出会いから(42)淵田美津雄 篠原元

コラムニスト : 篠原元

百人一読―偉人と聖書の出会いから(42)淵田美津雄 篠原元
淵田美津雄(1902~76)

皆さんは、今何をなさっていますか?「このコラムを読んでいるよ」と言われるかもしれませんね。

しかし、本当の意味で何をしているのか、お分かりでしょうか? 自分が今何をしているのか、何のために生きているのか、お分かりでしょうか?

「分かっているよ!」という方と「分からない」という方がいらっしゃると思います。どちらかというと、「分からない」という方が多いかもしれません。

それが当然かと思います。人間という生き物は、自分では「自分が何のために生きているのか」、また「今、自分は何をしているのか」を案外分かっていない生物だと思います。

1941年の真珠湾攻撃の際、空襲部隊の総指揮官を務めた方、それが淵田美津雄さん(1902~76)です。この方は終戦後、聖書に出会い、キリストの教えを伝える者となり、多くの国々で講演を行いました。

その彼がこう語っています。「私は、47年間も『なにをしているか分からずにしていた』という自分の罪を自覚した」(『100人の聖書』70ページ参照)

淵田さんは、「分からないでしていたこと」を自覚した、認識した、知ったと言っていますよね。私たちにとって、分からないということを知ってから、初めてスゴイことや、キリストの神様の教えが本当に分かるのではないかと思います。

今日このコラムを書きながら(4月下旬です)、今日1日何回も自分が「分からない」と、そのような趣旨のことを口から出していることに気付きました。今日、自分はよく分からないことに対面していました。それでも、いえそれだからこそ、分からないことがあるからこそ、「もっとスゴイことが用意されている!」、また「いつか神様が教えてくれる!」ことが分かります。自問自答しても分からないようなことをもご存じのお方がいるということです。

難しい勉強にしろ、試験にしろ、方程式にしろ、絶対に答えがあるものです。そして、いつか答案が発表されれば、また先生方や有識者の方に質問すれば、答えが分かります。

ならば、分からないことがあるからこそ、理解不能な事態に陥っているからこそ、自分では先が分からない状態だからこそ、「いつか、分かる時が来る!」ことに希望を見いだせるのではないでしょうか?

今の状況、事態に対する答えは、今はないかもしれません。今はまったく分からないかもしれません。知らず知らずのうちに、「分からない」という言葉が口から出ているかもしれません。

でも、それだからこそ「いつか分かる時が来る!」「いつか、このことも乗り越えることができる!」と分かるのではないでしょうか?

「お先真っ暗だ」という方や、「何でこんな目に!」という方、とにかく先が読めない、どうなるか分からない状況にいる方に、吉報です。分からない、読めない、見えないからこそ「いつか、分かる時が来ます!」。

これを信じて、ちょっと勇気を出して、もうちょっと辛抱していきましょう。キリストの神様が助けてくださいます。

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篠原元

篠原元

(しのはら・げん)

1991年7月、東京都生まれ。プロテスタント・炎リバイバル教会伝道師。VIPクラブ、キリスト教各団体、ホテルなどにて講演、テレビ番組「ライフ・ライン」などに出演。社会福祉活動団体「100人の聖書基金」の、学校・児童養護施設・病院などへの書籍寄贈活動に著者として携わっている。著書に『100人の聖書』。2021年より NOVEL DAYS、エブリスタ等にて連載小説配信。

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