2015年11月1日19時53分

力強く生きる 安食弘幸(29)

コラムニスト : 安食弘幸

「神のことばは、すべて純粋。神は拠り頼む者の盾」(箴言30:5)

アメリカ最初の原子力潜水艦スレッシャー号は試験航海に出たものの水圧でつぶれ、乗組員129名全員死亡という悲劇を生みました。原因は溶接の一部弱い所に圧力がかかり、内圧より外圧が上回ったからです。

私たちの人生でも外からさまざまなプレッシャーやストレスが、私たちを押しつぶそうとします。しかしそれに負けない力を内側に持つ人は、決してつぶれることはありません。そのような内的力は、どこから来るのでしょうか。

① 夢に生きる

大リーガーのイチロー選手が、小学6年生の時に書いた作文の題は「夢」でした。

「僕の夢は、一流のプロ野球選手になることです。・・・僕は3歳の時から練習を始めています。365日中、360日は厳しい練習をしています。・・・そんなに練習しているのだから必ずプロ野球の選手になれると思います。・・・だからこの調子でこれからもがんばります」

そしてイチローは「夢」をそのまま実現させています。強烈な夢に向かって生きている人は、どんな困難も乗り越えていけるのです。

② 喜びに生きる

「陽気な心は健康を良くし、陰気な心は骨を枯らす」(箴言17:22)とあるように、喜びは人の心の内から力を湧き立たせます。

日本列島は火山列島と言われるように、到る所に温泉があります。温泉が湧くとドッーと人が集まってくるように、喜んでいる人に人は集まってきます。さまざまな出会いが起こり、当然そこにはビジネスチャンスが生まれます。喜んでいる人の所には、吸い寄せられるように人もお金も集まってくるのです。

③ 神の言葉に生きる

神の言葉には力があり、それに耳を傾け従う者に力や知恵を授け生かしてくれます。

以前、ある観光地で講演会をした時、講演の後で一人の女性が私のところに来て「今日、聖書を買いました。表紙の裏に私にふさわしい言葉を何か書いてください」と言いました。

私はその方の憂いを含んだ顔を見ながら、「わたしの目には、あなたは高価で尊い。わたしはあなたを愛している」(イザヤ43:4)という言葉を書いて渡しました。

その女性はしばらくそれをじっと眺めていましたが、それを胸に抱くようにして出て行きました。

それから数カ月後に、その女性から手紙を受け取りました。

「実はあの日、私は先生が書いてくださる言葉がどんな言葉であろうと、神様からの言葉として受け取る覚悟でした。実は私はあの時、売春の仕事をしていました。こんな汚れた自分にふさわしい言葉とは、どんな言葉だろうと思って待っていました。すると先生は驚くべき言葉を書いてくださいました。こんな私が『高価で尊い』なんて信じられませんでした。『神に愛されている』なんてとても思えませんでした。しかしあの言葉で私の心は救われました。最近、私はイエス・キリストを信じました。仕事も会社の事務をしています。あの聖書の言葉が私の人生を変えてくれました」

神の言葉は、私たちに生きる力を与えてくれるのです。

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安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

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