2014年11月30日07時07分

自分を知り、人を生かす 安食弘幸(5)

コラムニスト : 安食弘幸

「この世と調子を合わせてはいけません。いや、むしろ、神のみこころは何か、すなわち、何が良いことで、神に受け入れられ、完全であるのかをわきまえ知るために、心の一新によって自分を変えなさい」(ローマ12:2)

昔、貧しいインディアンの老人の土地から石油が発見され、彼は一躍大金持ちになりました。早速キャデラックを買い、死ぬまで乗り回しましたが、一度も事故を起こしませんでした。なぜなら彼は、100馬力のエンジンを持つ車を二頭の馬に引かせて歩いていたからです。

多くの人々は、この老人のように自分の持っている宝物に気付いていないのです。まさしく「人は自分の心の中に音楽を残したまま墓に行く」のです。

ヴィクトル・セリブリアコフは15才の時、学校の教師によって「劣等生」のレッテルをはられました。彼は、それを信じたために何をやってもうまく行かず、職を転々と変えました。

しかし、32才の時IQテストを受けたところ、何とIQ161と出たのです。「キミは天才だ」と言われた彼は、人が変わったように勉強し始め、優れた発明家となりました。

何が彼を変えたのでしょうか。それは自分に対する意識です。自分の中に眠っていた宝物に気が付き、それを掘り出して用いたのです。知識が増えたのではなく、意識が変わったのです。このことからも、「自分は一体何者なのか」ということを正しく把握することが、いかに重要であるかがわかります。

ある人々は「自分は学歴がないからダメだ」と言いますが、そう思うことがダメなのです。学歴がなくても成功した人々は沢山います。リンカーン、ヘンリー・フォード、トーマス・ワトソン、松下幸之助、枚挙にいとまがありません。

確かに、この世の中には私たちの自己意識を引き下げる情報が溢れています。その一つは進化論の影響です。私たち人間は、進化の途上の偶然の産物であると説明するからです。進化論からは、人間の尊厳性など生まれてくるはずもありません。

もう一つはフロイトをはじめとする精神分析です。人間の行動は潜在意識の中にある幼児体験に発しているので、もはや自分でコントロールできない。だから諦めるより方法がない。人は40才を過ぎたら希望がないと言うのです。

聖書は「この世と調子を合わせるな」と言います。「そんなウソを信じるな」と言うのです。聖書は語ります。「私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです」(エペソ2:10)

私たちは偶然の産物ではなく、愛と知恵と力に満ちた創造者なる神によって造られた大切な大切なオンリー・ワンの存在なのです。この聖書のメッセージを受け入れた人の人生は間違いなく変わります。心(思い)の一新によって自分を変えましょう。

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安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

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