
日本クリスチャン・アカデミーと日本YWCAは3日、米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃に抗議する声明をそれぞれ発表した。両者とも、攻撃は国際法違反だとし、即時の停止と国際法の遵守を求めている。
日本クリスチャン・アカデミーは、今回の攻撃について「国連安全保障理事会の決議も米議会の承認も受けていません」と指摘。「一方的に武力に訴えて、主権を侵害する行為は、明白な国際法違反」だとし、次のように述べている。
「たとえイランが長期にわたり権威主義的な統治を続けてきたとしても、そのことが他国による武力行使を正当化する理由にはなりません。体制への批判や安全保障上の懸念が存在することと、主権の侵害、武力による現状変更、さらには指導者殺害を容認することとはまったく別の問題です」
さらに、「私たちは、イラン国内における人権の抑圧や自由の制限に目をつむるものではありません」としつつ、「それでもなお、他国による軍事力行使が平和を実現することはない」と主張。「暴力によって『秩序』や『自由』をもたらそうとする発想は、国際社会の法の支配を脆弱(ぜいじゃく)なものにし、相互不信と報復を増幅させ、平和の土台を破壊します」と述べている。
その上で、対話の重要性を強調。今求められているのは「相手を沈黙させる力」でなく、「対話の道を取り戻すための努力」だと訴えている。
日本YWCAは、米国が1月にベネズエラを攻撃し、ニコラス・マドゥロ大統領らを拘束したことにも言及しつつ、「巨大な軍事力を有する国による国際法を無視した武力行使は、国連が設立された目的である『国際的な平和と安全』の枠組み自体の破壊に直結します」と警告する。
また、今回の攻撃では、既に子どもを含め多数の民間人犠牲者が出ていることに言及。戦争や武力紛争で最も苦しむのは女性や子どもなど、弱い立場に置かれた人々だとしている。
日本クリスチャン・アカデミーと日本YWCAはともに、米国とイスラエルの攻撃を非難する一方で、イランを含む全ての主体に対しても、報復などの軍事行動を停止するよう要求している。また、日本政府に対しては、国際協調を積極的に支える外交努力の継続や、今回の攻撃が国際法違反であることを明確に指摘することなどを求めている。
米国とイスラエルの攻撃を巡っては、日本キリスト教協議会(NCC)も1日、抗議する声明を発表している(関連記事:米イスラエルの軍事攻撃にNCCが抗議声明、イランの報復にも反対)。
国営イラン通信によると、イランでは攻撃が始まった2月28日以降4日までに、軍関係者と民間人合わせて1045人が死亡した。
一方、ロイター通信によると、米国はクエートの米軍施設に対するイランの攻撃で、これまでに6人が死亡。イスラエルは、イランのミサイルがエルサレム近郊に着弾するなどし、3日までに10人が死亡した。
また、親イラン民兵組織「ヒズボラ」が拠点を置くレバノンでは、イスラエルのミサイル攻撃で40人が死亡。米軍基地がありイランが報復攻撃を行っている湾岸諸国では、クエートとアラブ首長国連邦(UAE)でそれぞれ3人、バーレーンとオマーンでそれぞれ1人が死亡している。