
テスラ社やスペースX社の創設者である米実業家のイーロン・マスク氏は、9日に公開されたポットキャスト番組(英語)で、宇宙を創造した神の存在を信じていると述べ、神である「創造主」を最も尊敬する存在だと語った。
マスク氏が出演したのは、スティーブン・ミラー米大統領次席補佐官の妻で、マスク氏が率いた米政府効率化省(DOGE)で報道官を務めていたケイティ・ミラー氏の番組。マスク氏は番組で、事実上廃止となったDOGEや人工知能(AI)、その他のトピックスについて幅広く語ったが、神についての自身の見解にも簡単に触れた。
「あなたが最も尊敬するのは誰ですか」とミラー氏が尋ねると、マスク氏は「創造主です」と回答。次いで、神に対する現在の立場を尋ねられると、「神は創造主です」と答えた。
これに対し、ミラー氏が「でも、あなたは神を信じていないですよね」と問うと、マスク氏は「ええと、私はこの宇宙が何かから生じたと信じています。人々はそれにさまざまな呼び名を付けています」と応じた。
マスク氏の発言は、神や信仰に関する彼の公の見解が、より前進したことを示す。
マスク氏は2022年5月、X(旧ツイッター)のユーザーからの創造主を信じるよう促す投稿(英語)に対し、「祝福をありがとう。でも、もし本当に地獄が私の目的地なら、私は地獄に落ちても構わない。なぜなら、生まれてきた人間の大半がそこにいるのだから」と返信していた。
しかし、今年9月には、保守派の米政治活動家チャーリー・カーク氏が暗殺された後、カーク氏の妻が「教会に行って」とつづったX上の投稿(英語)をリポスト(再投稿)。2億3千人を超える自身のフォロワーに対し、教会へ行くよう呼びかけた。
同月にアリゾナ州グレンデールで開催されたカーク氏の追悼式にも出席し、激しい確執が生じたドナルド・トランプ大統領と談笑する姿も写真に収められた。
マスク氏は、キリスト教を完全に受け入れるには至っていないものの、無神論者の英進化生物学者リチャード・ドーキンス氏のように、自らを「文化的なクリスチャン」だと称している。
ドーキンス氏は24年4月、移民の影響などでイスラム教が台頭する英国で、キリスト教文化が失われつつあると嘆き、自身は「文化的なクリスチャン」だと語った。マスク氏も同年7月、心理学者で作家のジョーダン・ピーターソン氏からインタビューを受けた際、ドーキンス氏の発言を踏まえつつ、「恐らく、私は文化的なクリスチャンだと思います。私は聖公会で育ち、洗礼も受けました」と語っている(関連記事:イーロン・マスク氏「私は文化的なクリスチャン」 子の性別移行「騙されて」同意と発言)。
マスク氏は、これ以前にもキリスト教の文化的影響を評価する発言をしている。23年12月には、「西洋はキリスト教を失ったら絶対ダメになる」とする英国人ラッパーのX上の投稿(英語)に対し、「あなたは恐らく正しい」とコメントして同意を示している。