紀元202年、ウルファで大洪水が起き、教会堂も破壊されたことを伝えるシリア語文。この地に教会があったことを知る古い貴重な史料。エストランゲロ式書体もある。年代は太陽暦に換算した。シリア文字フォントと文は著者作成。






まとめ
紀元202年、セウェルス王国とマヌ王の子アブガル王の王国において11月に。偉大な王アブガルの偉大な宮殿から湧き出る水の泉は勢いを増し、かつての習慣のように勢いを増して上昇した。そしてそれは満ちて四方八方にあふれ、王国の庭や玄関、家々は水で満たされ始めた。私たちの主君アブガル王は[水を]見てから王国の臣民たちが居住している宮殿から山の台地へ上った。
(続く)
※ 参考文献
川口一彦著『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
川口一彦編著『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(イーグレープ、2014年)
川口一彦著『景教碑の風景』(三恵社、2022年)
George Anton Kiraz『The New Syriac Primer』(Gorgias Press、2007年)
『Chronica minora I』(Louvain, Secretariat du Corpus SCO、1960年)
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