オランダのペルシャ語教会は、亡命者たちの礼拝と交わりを通して急成長している。各地に形成されたコミュニティーでは、聖書研究や文化イベントが行われ、信者同士が互いに支え合っている。その影響は国内にとどまらず、中東や他の欧州諸国にも広がっているのだ。(第1回から読む)
セブン・ミニストリーズでは、信仰を公に告白する洗礼式が年間を通して行われている。今年のパームサンデーの日曜日には、アイントホーフェンの教会堂内に設置された小さなプールで7人が洗礼を受けた。昨年は貸切プールで22人が受洗したが、費用や日程の都合から、現在は時期を分散して実施しているという。「ここオランダでは、自由に信仰を告白できますが、イランやアフガニスタンでは、この一歩が犯罪と見なされるのです」とデルシャド・シルワニー氏は語る。
迫害下の信者たちに対して、教会は霊的・経済的支援を続けている。安全なルートと信頼できる仲介者を通じて、必要な援助を直接届けるのだ。シェカリプール牧師は、「私たちは国際的な教会として、苦しむ兄弟姉妹と共に立つ使命があります」と語気を強める。中には、洗礼のためだけにオランダを訪れるイランの信者もおり、彼らは帰国後、現地でひっそりと信仰を守っている。
シェカリプール牧師は、こうした国外離散の信者であるディアスポラの広がりを神のご計画と見る。彼はエレミヤ書49章に記されたエラム(古代イラン)への預言「しかし、終わりの日に、わたしはエラムの繁栄を回復すると、主は言われる」(エレミヤ49:39)を引用して、こう語る。「その地は種のようなものです。今、種がまかれる準備が着々と進んでいるのです」
イラン本土やアフガニスタンでは、迫害の嵐が吹き荒れているが、世界各地に散らされたペルシャ語話者の信者たちは、どこにいても同じ主を礼拝し、福音を携えて自らの信仰を言い広めている。迫害国の国内の信者と離散のディアスポラとが、神の国の拡大のために連帯しているのだ。オランダの静かな礼拝堂から、地下教会の秘密の集会所まで、神の国は同じ聖書、同じ一つのバプテスマ、同一の主を証しする一つの証しを通して拡大し続けているのである。
迫害下のイラン、アフガニスタンの信者が守られ、信仰が揺らぐことなく成長するように祈ろう。オランダや欧州各地のペルシャ語話者ディアスポラの働きがさらに拡大し、エレミヤ49章の約束が成就するように祈っていただきたい。
■ オランダの宗教人口
プロテスタント 18・3%
カトリック 25・7%
ユダヤ教 0・2%
イスラム 5・5%
無神論 46・9%
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