建物にとって、出入り口の鍵はとても大切で重要なものです。建物の鍵は防犯対策や安全対策のためにあり、特定の人だけが出入りできるようにする許可証のようなものです。
聖書に出てくる鍵には、神の宮の鍵(1歴代誌9:27)、ダビデの家の鍵(イザヤ22:22)、天の御国の鍵(マタイ16:19)、知識の鍵(ルカ11:52)、死とハデスの鍵(黙示録1:18)、ダビデの鍵(同3:7)、底知れぬ穴を開く鍵(同9:1)、底知れぬ所の鍵(同20:1)があります。
「みことばの戸が開くと、光が差し込み、わきまえのない者に悟りを与えます」(詩篇119:130)とあるように、聖書に出てくる鍵とは、天と地とその中のもの全てに関する真理と奥義のことです。聖霊から与えられる知識と知恵により、未知の霊的世界が開かれ、天地万物に関する理解が可能となります。
1. 炎と水と太陽
その頭と髪の毛は、白い羊毛のように、また雪のように白く、その目は、燃える炎のようであった。その足は、炉で精錬されて光り輝くしんちゅうのようであり、その声は大水の音のようであった。また、右手に七つの星を持ち、口からは鋭い両刃の剣が出ており、顔は強く照り輝く太陽のようであった。(黙示録1:14〜16)
「それらの燭台の真ん中には、足までたれた衣を着て、胸に金の帯を締めた、人の子のような方が見えた」(黙示録1:13)
「確かに、わたしは、あなたがたに、蛇やさそりを踏みつけ、敵のあらゆる力に打ち勝つ権威を授けたのです。だから、あなたがたに害を加えるものは何一つありません」(ルカ10:19)
「神のことばは生きていて、力があり、両刃の剣よりも鋭く、たましいと霊、関節と骨髄の分かれ目さえも刺し通し、心のいろいろな考えやはかりごとを判別することができます」(ヘブル4:12)
14節をギリシャ語原典と上記の聖句から解説すると、御子キリストが金の燭台の間を歩くとは、キリストが世界にある教会の間を巡回して歩くことを意味し、①足まで垂れた衣を着て、胸に金の帯を締めているとは、聖別され、最高権威を持った大祭司であることを意味し、②その頭と髪の毛が雪のように純白な羊の毛のようであるとは、神の子の無罪性と聖い人格、全知全能、栄光を意味し、③その目が燃える炎のようであるとは、善と悪を見通し、即座に裁く力を持っていることを意味しています。
15節を解説すると、④その足が、炉で精錬されて光り輝くしんちゅうのようで、その声が大水のようであるとは、キリストが、悪魔をも踏みつけ、聖別する力を持ち、ノアの時代に全人類を洪水で裁いたような、天地の不義を裁く力を持っていることを意味しています。
16節を解くと、⑤右手に七つの星を持つとは、神の権威と力で世界にある教会に御使いを遣わしていることを意味し、⑥口から鋭い両刃の剣が出ているとは、人格である魂と、いのちである霊との間を御言葉で鋭く刺し通し、真実を見抜き、人生を判別することを意味し、⑦顔が強く照り輝く太陽のようであるとは、神の全ての栄光と力を持っておられる方であることを意味しています。
全世界の教会に対して現れる御子イエス・キリストには、7つの栄光と力が啓示されていました。つまり、①大祭司の権威を持ち、②無罪であり、聖であり、全知全能であり、③善悪を見通し、即座に裁く力を持ち、④悪魔を聖絶し、全人類の不義を裁く力を持ち、⑤世界の教会に御使いを遣わす方で、⑥人生を判別する御言葉の力を持ち、⑦神の全ての栄光と力を持つお方です。
2. 死とハデス
それで私は、この方を見たとき、その足もとに倒れて死者のようになった。しかし彼は右手を私の上に置いてこう言われた。「恐れるな。わたしは、最初であり、最後であり、生きている者である。わたしは死んだが、見よ、いつまでも生きている。また、死とハデスとのかぎを持っている。」(黙示録1:17、18)
ギリシャ語原典と聖書全体から解説すると、「イエス・キリストは、父なる神の全てを相続し、御国の最高権威者となっていたので、人であるヨハネがこの方を見たとき、神を見たら死ぬと聖書にあるように、その足元に倒れて死者のようになった」となります。聖書通りに、神を見たことで仮死状態になりました。
続きを解説すると、「しかし復活された主キリストは、右手を私の上に置いてこう言われた。恐れるな。わたしは、天地創造によるいのちと、死から復活した人の最初であり、天地の最後であり、神であるが人として生きている者である」となります。
さらに続きは、「人の罪のために十字架刑でわたしは死んだが、見よ、罪の贖(あがな)いを成し遂げて新しい体で復活し、いつまでも生きている。また、悪魔とその手下どものために設けられた、死者を入れる場所である死と、悪魔とその手下どもと、滅んだ人々を入れる場所であるハデスとの鍵を、主の主・王の王キリストは持っているので、わたしが開ければ開かれたままになり、最後の審判の後にわたしが閉じれば、永遠に閉じられたままになる」となります。
3. 星と燭台
そこで、あなたの見た事、今ある事、この後に起こる事を書きしるせ。わたしの右の手の中に見えた七つの星と、七つの金の燭台について、その秘められた意味を言えば、七つの星は七つの教会の御使いたち、七つの燭台は七つの教会である。(黙示録1:19、20)
19節を解説すると「イエス・キリストの黙示としてヨハネが見た幻に現れた、過去に見た事と、使徒の時代である今ある事と、初代教会時代より後に起こる事を書き記せ」となります。過去・現在・未来の黙示です。
20節を解説すると「主キリスト・イエスの栄光と力である右の手の中に見えた、全世界を表す7つの星は、全世界の7つの教会の御使いたち、全世界を表す7つの燭台は、全世界の7つの教会の聖霊である」となります。
御使いは、神から遣わされるときに、地と第一の天、第二の天、第三の天を上り下りするので、天の星のようです。
教会には、燭台によって表された約束の御霊が信仰者たちのために天から送られていて、イエス・キリストの体として、御力が働きます。私たちの祈りで、私たちの内におられる御霊と教会におられる御霊によって悪霊どもが追い出され、教会が守られます。
まとめ
全世界の教会に対して現れる御子イエス・キリストには、7つの栄光と力が啓示されていました。つまり、①大祭司の権威を持ち、②無罪であり、聖であり、全知全能であり、③善悪を見通し、即座に裁く力を持ち、④悪魔を聖絶し、全人類の不義を裁く力を持ち、⑤世界の教会に御使いを遣わす方で、⑥人生を判別する御言葉の力を持ち、⑦神の全ての栄光と力を持つお方です。
イエス・キリストの黙示には、初代教会時代の過去と現在、未来に関する事柄が書かれています。聖書全体に隠された御心とご計画について、今、教会の信仰者たちに、御霊により啓示し、解き明かしています。その中で今の時代は、死とハデスの鍵について、黙示録は私たちに啓示しています。
悪魔とその手下どものために設けられた、死者を入れる「死」という霊界と、悪魔と悪霊ども、不信仰で滅んだ人々を入れる「ハデス」という霊界との鍵を、主の主・王の王となられたイエス・キリストは持っておられます。
キリストがその鍵を開ければ開かれたままになり、死者と滅びの人々がそこに入れられ続け、もし、キリストが鍵を閉じれば、そこは永遠に閉じられたままになります。最後の審判の後に鍵は閉じられ、死とハデスは底知れぬ火の中に投げ入れられます。
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