2025年6月21日19時13分

ワールドミッションレポート(6月21日):米国 自殺願望の若い女性、イエスとの出会いが彼女を救う(3)

執筆者 : 石野博

人生のむなしさ、そして度々訪れる自殺衝動に苦しんでいたブラジル系米国人のギャビー・フォンテスは、神からの語りかけのような夢を二度も見た。しかし彼女は、その度に心揺れながらも、結局は神に背を向けてしまったのだった。(第1回から読む)

そして二度目の夢は、悔い改めを迫る警告の夢だったが、この時は出会い系アプリで出会った彼が、神とギャビーの間に入ってしまった。しかし、しばらくすると価値観の合わない彼と別れたギャビーは、再び感情が抜け落ちて放心状態のようになり、自殺願望が再燃した。

そして2022年8月のある朝、彼女は不思議な幻を見た。普段はそれほど好きでもない賛美歌を、その朝はまるで導かれるように再生したのだ。賛美が終わると、彼女の前に映像が現れた。

「まるで映画を見ているかのようでした。イエス様がどんな方で、何をなされたのか、なぜそれをする必要があったのか、私にとってそれが何を意味するのか――そう、その全てが映画のように映し出されたのです」

「私はずっと真理を探し続けていました。そして、その瞬間、全てがつながったんです! 人生の目的、自分が存在する意味、その核心が自分の内側にしっかり届いたとき、『ああ、これが答えなんだわ!』と心の底から確信できました。そしてその瞬間、あれほど虚無感にさいなまれていた心が完全に癒やされたのです。欠けていたピースがピタリとはまり、一つに戻ったような感覚でした!」

こうして彼女はイエス・キリストを信じる決断をし、もはや後戻りすることはなかった。「イエス様は、ずっと私が探してた “全て” だったのです!」

彼女はすぐに聖書を買い求め、むさぼるように読み始めた。「私は聖書に夢中になりました。それ以来、神の言葉にどれほど癒やされ、励まされたことでしょう。私は神様のことが大好きです。友達みんなにもそのことを伝えています。ちょっと変わったやつだと思われてるかもしれませんけどね」。そう言ってギャビーは無邪気に話した。

「世界はうそや偽りで満ちています。情報も感情も、全てが操作されているように思います。でも私は、ついに真理を見つけたのです。それは私の心を癒やし、まるで本当の食事のように、私の魂の飢え渇きを満たしてくれました」

その後、彼女は2023年に、ダラスの教会で洗礼を受けたのである。

使徒パウロはこう言った。「私にとっては、生きることはキリスト、死ぬことも益です」(ピリピ1:21)

かつて死の霊に取りつかれていたような彼女だったが、キリストとの個人的な出会いを通じて完全に解放されたのだ。人生の嵐に翻弄(ほんろう)され、紆余(うよ)曲折しながらも、彼女はキリストにあって静けさの港に着いた。今では、キリストのうちに自分の存在価値、生きる目的、使命を見いだし、SNSの動画を通じて、彼女はキリストを証しし、伝道に励んでいる。

ギャビーのように迷える若者たちがキリストを見いだし、彼らの変えられた人生を通じて証しをし、キリストの栄光が宣べ伝えられるように祈っていただきたい。

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■ 米国の宗教人口
プロテスタント 35・3%
カトリック 21・2%
正教 1・7%
ユダヤ教 1・7%
イスラム 1・6%
無神論 16・5%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。