2025年5月3日12時49分

日本人に寄り添う福音宣教の扉(221)音楽葬に導かれて 広田信也

コラムニスト : 広田信也

日本人に寄り添う福音宣教の扉(221)音楽葬に導かれて 広田信也

キリスト教葬儀を全国展開するようになり10年以上がたちました。全く経験のない働きでしたが、数多くの体験を通し、品質の高いキリスト教葬儀が日本社会に広く受け入れられる日の近いことを強く感じています。

理由はさまざまですが、中でも、心を天に向ける音楽(賛美歌)の存在は、他の形式の葬儀と比較して、圧倒的な高評価を得る要素になると思っています。

音楽は大の苦手でしたが

私は、学生時代に音楽や美術といった芸術科目が大の苦手でした。幼い頃は、自由に絵を描いたり、歌を歌ったりしていたようですが、学校の授業で何かにつまずいたのか、自分の気持ちや願いを、芸術を通して表現できなくなくなっていました。

高校受験では、普通科であっても、音楽や美術の成績が評価対象となり、私は希望の高校に入れませんでした。そんな私が30歳近くで信仰を持ち、賛美歌に心を癒やされるようになり、60歳を過ぎてから、音楽が幅広く用いられるキリスト教葬儀を推進するようになったのですから、大変不思議なことです。

キリストが本物だからこそ

かつて私の音楽嫌いは、音楽が人の心に大きな影響を与えることが分かってきたことで顕著になりました。人の心を束ねるため、指導者が音楽を強要するようなイメージがあり、一緒に歌ったり聴いたりする音楽活動を避けていました。まして、賛美歌を共に歌うことは、信仰を強要することになると警戒していたように思います。

しかし、音楽とは全く異なる分野から信仰に導かれ、次第に賛美歌を共に歌うことが心地よくなっていきました。それは、心を向けるべき本物(キリスト)を知ったことによる大きな収穫でした。

その後、音楽を伴う祈りの中で何度も聖霊(神様の霊)に触れる体験を通し、生きて働く神様の臨在を強く感じるようになりました。そして今では、最も祈りを必要とする場において、心を天に向ける音楽の助けを積極的に求めるように変えられました。

天国へのハーモニー

お葬式は、愛する人とのお別れの時です。別れのつらさを神様に注ぎ出し、心を込めて祈りたくなるものです。そのような時、その場にふさわしい音楽が用いられるなら、私たちは天国に思いをはせ、神様からの慰めと祝福を頂くことができます。

この度、私たちは「愛する人のお別れ式、天国へのハーモニー」と題した葬儀プランを始めることになりました。多くの関係者の協力があったことを心より感謝しています。これらの働きを通し、愛する日本の人々が、生きて働く全能の神様から、天国の希望を頂くことができますように・・・。

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広田信也

広田信也

(ひろた・しんや)

1956年兵庫県生まれ。80年名古屋大学工学部応用物理学科卒業、トヨタ自動車(株)入社。新エンジン先行技術開発に従事。2011年定年退職し、関西聖書学院入学、14年同卒業。16年国内宣教師として按手。1985年新生から現在まで教会学校教師を務める。88~98年、無認可保育所園長。2014年、日本社会に寄り添う働きを創出するため、ブレス・ユア・ホーム(株)設立。21年、一般社団法人善き隣人バンク設立。富士クリスチャンセンター鷹岡チャペル教会員、六甲アイランド福音ルーテル教会こどもチャペル教師、須磨自由キリスト教会協力牧師。関連聖書学校:関西聖書学院、ハーベスト聖書塾、JTJ宣教神学校、神戸ルーテル神学校