2025年1月26日18時41分

ワールドミッションレポート(1月26日):ミッションとしてのビジネス(4)

執筆者 : 石野博

「ミッションとしてのビジネス」(BAM)という概念を宣教にフィードバックすることを発見したスウェーデンのビジネスコンサルタント、マッツ・トゥネハグ氏。神からの使命に対する彼の視点がどのように変化したのかを語る、彼自身の言葉の続きだ。(第1回から読む)

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第二のゲームチェンジャーは、1994年にルワンダで起こった大虐殺です。私たちの唯一の成功基準が教会建設と成長であるとすれば、ルワンダこそは、おそらく教会と宣教の歴史における究極のサクセスストーリーであったことでしょう。約100年の間に、人口の約90%がさまざまな教会の会員になったのですから。

しかし1994年の春、わずか数カ月の間に約100万人が殺されました。文字通り、クリスチャンがクリスチャンを殺したのです。ルワンダには、確かに教会に通う人々がいました。しかし、人々の中には教会がなかったのです。残念ですが、ルワンダの民族間問題、政治、メディアには、福音が届いていかなったといわざるを得なかった。

これらの悲劇的な出来事を通して、私は自分の使命を見直す必要に迫られたのです。

教会の使命とは何でしょうか。神は、個人のみならず、地域社会や教会、国家さえも変容させることができると、私たちは信じています。それでは私たちは、人々と国家が全的変容を遂げるために、どのように仕えることができるのでしょうか。

マーケットプレイス(市場)においてクリスチャンであるとはどういうことなのか。宣教としてのビジネス、宣教としてのコンプライアンス、宣教としての教育、宣教としての都市計画とはどのようなもので、どのように実行することができるのでしょうか。私たちは、どのようにして神と(社会的な)共通善に仕えることができるのでしょうか。

エレミヤ書29章に記されているように、都市と国家の平安と繁栄を求めるということは、実際には何を意味し、どのような教訓となるのでしょうか。申命記8章にあるように、国々のために富を創造するという賜物を行使するビジネスパーソンを、私たちはどのように肯定し、備えさせ、配備すればよいのでしょうか。

BAMは聖書の概念であり、多くの産業において世界中でますます適用されるようになっています。2002年に始まった2つの世界的なBAMシンクタンクプロセスは、ビジネス、教会、宣教、学界のクリスチャンリーダーを集めることによって世界的な結束をもたらし、この概念に対する相互理解を深めるのに役立ってきました。これにより、人とアイデアのかつてない結び付きが生まれたのです。

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以上のように、トゥネハグ氏はBAMへの使命とその概要を紹介した。次回は、それがどのように作用して、インドネシアのイスラムの村が変容したのか、その実例を紹介したい。(続く)

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。