2024年6月28日11時38分

ワールドミッションレポート(6月28日):米国 聖堂の長椅子が225人のホームレスのために寝台として提供される

執筆者 : 石野博

ホームレスにとって、寝る場所の確保は簡単ではない。そのため、彼らにとっては睡眠不足が最も深刻な健康問題の一つなのだ。サンフランシスコにある聖ボニフェイス教会では、毎日平均225人のホームレスが聖堂の長椅子で安全と安眠を得ている。

これはグビオ・プロジェクトによるもので、NPO活動家のシェリー・ローダーとルイス・ヴィターレ神父によって、サンフランシスコのテンダーロイン地区にある聖ボニフェイス近隣センターの超教派プロジェクトとして2004年に共同設立された。このNPOは、近年増加している路上生活からの避難を必要とするホームレスの男女に対応するために始められたのだ。

NPOのウェブサイトには「私たちのゲストが教会に入るとき、何も質問はしません。来られる人々にとって障壁になる全てを取り除くため、サインインシートや受付用紙もありません。誰も断られることなく、全ての人が歓迎され、尊重され、尊厳をもって扱われます」と記されている。

教会は毎日12時15分のミサのために聖堂の前方3分の1を使用する。そして後方の3分の2をグビオ・プロジェクトが使用するのだ。

「この取り組みは、私たちのホームレスの隣人たちに強力なメッセージを送ります。彼らは本質的に共同体の一部であり、家のある人たちが礼拝に来たときも、彼らが追い出されることはないのです。またこれは、ミサに参列する人々にもメッセージとなります。教会の共同体には、疲れた人、貧しい人、精神的な問題を抱える人、そして濡れて寒く汚れた人たちも含まれるのです。休息の場所に加えて、教会は温かい毛布、靴下、衛生キット、そしてマッサージサービスも提供しています」

主イエスは、空腹の者、渇く者、宿無しの旅人、裸の者、病気の者、牢にいる者、これらの者を見舞い、彼らの必要に応じた者たちに「まことに、あなたがたに言います。あなたがたが、これらのわたしの兄弟たち、それも最も小さい者たちの一人にしたことは、わたしにしたのです」(マタイ25:34〜40)と言われた。

グビオ・プロジェクトがそうしているように、神の愛が目に見える形で表されるとき、それは言葉を超えた説得力を発揮する。見える形で表される神の愛が、それを必要とする人々に的確に届き、永遠の命の泉が湧き上がるよう祈っていただきたい。

■ 米国の宗教人口
プロテスタント 35・3%
カトリック 21・2%
正教 1・7%
ユダヤ教 1・7%
イスラム 1・6%
無神論 16・5%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。