2024年6月6日10時29分

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(5)現地のシリア語を学習する5 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

これまでに紹介した『鍵の本 指導教科書1』の中から、一部の文を翻訳して以下に紹介する。

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アラム語(シリア語のこと)は歴史上最も古い言語です。アラム語は私たちの言語なので、私たちはアラム語を学ぶべきです。

これらの本が、ディアスポラ(離散)の子どもたちに千年以上の歴史を持つ私たちのアラム語を教えるための現代的かつ迅速な方法であることを心から願っています。これらの書物が世界におけるアラム語の存続に貴重な貢献をすることが、私たちの希望であり、確信です。このレッスンでは繰り返し学びます。そして、次の大切な部分を紹介します。

  1. イエスを信じた最初の国(アラム帝国、オスロへネ王国)は私たちのものです。
  2. かつて私たちの首都はアラム語(シリア語)でウルファ、ギリシャ語でエデッサでした。
  3. エデッサの王アブガルは救い主イエスを信じました。
  4. アブガル王はイエスに手紙を書き、イエスをエデッサに招待して重い病気を治してほしいと願いました。
  5. イエスはアブガル王に自分の肖像画(王が派遣した者が描いたイエスの絵)で応えました。
  6. イエスが昇天された後、イエスは彼の病気を治すために弟子アダイをアブガル王のもとに送りました。
  7. アブガル王は癒やされて回復し、王国をキリスト教に改宗させました。

ほとんど全てのアラム語の著作は宗教(キリスト教)に関するものです。従って、私たちはアラム語を神聖な言語と見なします。アラム人は全員キリスト教徒です。イエス・キリストへの信仰の故に、多くのアラム人が殺されました。私たちの国は(シリア語の)アルファベットを発明しました。

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イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(5)現地のシリア語を学習する5 川口一彦

読みはシリア語話者によって違いはあるが、私がトルコ・イスタンブールのシリアニー教会の教師から聞いて学んだところを記していく。22の子音シリア文字に西方書体では5つの母音を付けて発音し、意味を理解する。そしてシリア語は右から左へと書き、読む。ちなみに西方書体の子音と母音記号の書体は筆者の手書きから生まれたもの(子音の上にドットが2個ある場合は複数形)。

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(5)現地のシリア語を学習する5 川口一彦
イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(5)現地のシリア語を学習する5 川口一彦

[訳]アラム人の男性高齢者が女性高齢者と一緒にいる

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(5)現地のシリア語を学習する5 川口一彦
イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(5)現地のシリア語を学習する5 川口一彦

[訳]生きた父と子と聖霊、唯一でまことの神の御名(の中)で、アーミン。

最後に、シリア語で筆者・川口一彦の名前と住所を次のように学んだ。

イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(5)現地のシリア語を学習する5 川口一彦
イスタンブール・シリアニー正教会への訪問旅行記(5)現地のシリア語を学習する5 川口一彦

(続く)

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※ 参考文献
『古代シリア語の世界』(イーグレープ、2023年)
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教碑の風景』(シリーズ「ふるさと春日井学」3、三恵社、2022年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

【川口一彦・連絡先】
電話:090・3955・7955 メール:[email protected]

フェイスブック「川口一彦」で聖句絵を投稿中。また、フェイスブック「景教の研究・川口」でも情報を発信している。

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