2023年3月3日17時59分

古代東方大秦景教旅行写真記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

唐代、武宗皇帝による大迫害があった840年代以降、景教徒たちは宣教拠点の西安から離れ、大秦景教や大秦寺会堂の名を廃して「エリカオン(也里可温)教」「十字寺会堂」と改称し、多くの信徒たちは福建省の泉州近辺にも住みました。

1300年前後の元の時代に生きていた信徒たちの、シリア(叙利亚)文やパスパ(八思巴)文などに天使を刻んだ墓石が1900年代中ごろに発見されました。それを見るために、親しい韓国人宣教師(日本宣教師や中国宣教師)の助けにより、泉州海外交通史博物館と厦門(アモイ)大学内の遺跡などを見学しました。

この地は東西の交易海路として有名で、同館は中国では唯一の海上交通専門の博物館です。学芸員は日本語が大変上手でした。

古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦

泉州海外交通史博物館(1959年創建)

古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
博物館入り口
古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
陳列室入り口
古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
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古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦

どうして多くの信徒の墓石がこの地域で発見されたかというと、ここから都の長安(西安)とは陸路の往来があり、海洋の拠点として彼らの活動地でもあったからです。同様の遺跡は福建博物院にも所蔵されています。

古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦

書籍の紹介

古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
2020年発行
古代東方教会遺跡巡り旅行記(4)中国福建省の遺跡(1)泉州海外交通史博物館 川口一彦
2005年発行

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※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教碑の風景』(シリーズ「ふるさと春日井学」3、三恵社、2022年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

【川口一彦・連絡先】
電話:090・3955・7955 メール:[email protected]

フェイスブック「川口一彦」で聖句絵を投稿中。また、フェイスブック「景教の研究・川口」でも情報を発信している。

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