2022年3月29日14時26分

新・景教のたどった道(69)東方景教の遺跡を巡る旅・中国(2) 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

次いで一行は、世界遺産になった秦始皇帝の兵馬俑博物館を見学し、その大きさと多様な兵馬に驚いた。1974年に地元の男性のヨウさん(写真)が発見して発掘すると、膨大な数の兵馬や瓦などが見つかった。私たちが見学したときも、まだ発掘作業が行われていると聞いた。2022年は日中国交正常化50周年を記念して、京都市の京セラ美術館で兵馬俑の展覧会を開催している。兵馬俑は秦始皇帝の墓を守るために作られたというほど、地から出た人間の浅はかさを物語っていよう。日本でも徳川家康が遺言により、江戸城を守るために北極星を背にして水戸に東照大権現の神として、江戸時代が終わるまで死後も君臨し、死者の神に背くなら死罪になったのである。

キリスト・イエスは事実、死から栄光の復活により永遠の命を示され、見える姿で昇天された。キリストには墓もなく骨もない。生きた唯一の神、救い主としてあがめられ、賛美されるにふさわしい方である。

新・景教のたどった道(69)東方景教の遺跡を巡る旅・中国(2) 川口一彦
新・景教のたどった道(69)東方景教の遺跡を巡る旅・中国(2) 川口一彦

続いて陝西歴史博物館や華清池、無字碑のある博物館などを見学し、周至県楼観にある大秦寺の景教碑を見るためにバスに乗った。でこぼこ道を走りながら到着して、小高い丘の上にある景教館に向けて歩き出したら、私たちの後ろから数頭の馬に乗った現地の人たちが追いかけてきた。この馬に乗れば楽に行けると言うので、ガイドは交渉して馬タクシーで楽に登って行った。

ところが、帰りがけでトラブルが起きた。馬業者のグループたちが、料金が違うと迫ってきて口げんかとなり、ガイドが苦心した。私たちは傍観するしかなかった。どの地に行っても中国の広さや偉大さを体験した。

新・景教のたどった道(69)東方景教の遺跡を巡る旅・中国(2) 川口一彦

※ 写真は川口が撮影。

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※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

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フェイスブック「川口一彦」で聖句絵を投稿中。また、フェイスブック「景教の研究・川口」でも情報を発信している。

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