2022年2月8日14時58分

新・景教のたどった道(67)景教小字典(2) 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

唐代の景教徒たちは、聖書や教義書、賛美歌などを彼らの言語のシリア語から漢訳していました。主な用語をかっこ内に当時の漢字で表記し、一部を拓本で紹介しました。

3. 人名

イエス・メシア(移鼠迷師訶)、アダム(阿談)、エバ(良和)、エフライム(遏払林)、エリヤ(伊利耶)、カイザル(寄悉)、シモン・ペテロ(岑穏、ソグド語で石をサンガと言い、石を意味するペテロを僧伽と漢訳。シモン・ペテロは岑穏僧伽)、ダビデ(多恵)、パウロ(寶路)、ピラト(大王毘羅都思)、マタイ(明泰)、マリア(末艶)、マルコ(摩矩辭)、モーセ(牟世)、ヨハネ(瑜罕難)、ルカ(盧伽)。

 新・景教のたどった道(67)景教小字典(2) 川口一彦

4. 地名

エルサレム(烏梨師斂城)、ユダヤ(伊大城)、ナザレ(那薩羅)、ヨルダン(述難、約旦)、ペルシア(波斯)、コンスタンチノープル(拂林)、東ローマ帝国(大秦国)。

5. その他

ゴルゴダ(訖句)、十字架(十字、上懸高、木上縛着、受苦、受死)、復活(従死起)、洗礼(向水、入湯)、天国(天堂)、よみ(黄泉、暗府)、指導者(景士)、信徒(達娑でシリア語のタルサの音訳)、会堂(景寺)、天使(飛仙、神天)、悪魔(悪魔、娑殫、娑多那、参怒)、イエスの星(景宿)。

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※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
旧版『景教のたどった道―東周りのキリスト教』

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

1951年、三重県松阪市生まれ。愛知福音キリスト教会宣教牧師、基督教教育学博士。聖書宣教、仏教とキリスト教の違い、景教に関するセミナーなどを開催。日本景教研究会(2009年設立)代表、国際景教研究会・日本代表を務める。季刊誌「景教」を発行、国際景教学術大会を毎年開催している。2014年11月3日には、大秦景教流行中国碑を教会前に建設。最近は、聖句書展や拓本展も開催している。

著書に 『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、2014年)、『仏教からクリスチャンへ―新装改訂版―』『一から始める筆ペン練習帳』(共にイーグレープ発行)、『漢字と聖書と福音』『景教のたどった道』(韓国語版)ほかがある。

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電話:090・3955・7955 メール:[email protected]

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