2018年10月11日19時50分

温故知神―福音は東方世界へ(108)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本53 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

温故知神―福音は東方世界へ(108)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本53 川口一彦

<本文と拓本>文字30(1611+30=1641)
造我區夏(我が區夏を造る)。代宗孝義(代宗は孝羲)、徳合天地(徳を天地に合す)。開貸生成(貸しを開いて生を成し)、物資美利(物を資けて美に利す)。香以報功(香を以て功に報い)、仁以作施(仁を以て施しを作す)。晹谷(晹谷<日の出の東方>)・・・

<現代訳>
私たちの中国を造られました。代宗皇帝は、孝羲でその徳は天地にかない、貸すことにより人が生かされ、経済も発展し潤いました。功を成した者に香を与え、愛の心で施されたので、東方の国からも・・・

<解説>
中国が栄えていたときは、東西南北から多くの民族がその益を被るために来ていたことを記します。ここに東方の国とあるのは、恐らく中国から見て日本のことなら、遣唐使のことを指しているのかと考えます。

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。