西村建築設計事務所シリーズ ⑤ 巨摩教会と峡南幼稚園

宗教法人日本基督教団巨摩教会
テーマ「山辺に向かいて、われ目を上ぐ」（詩編１２１：１）
主要用途教会牧師館　聖別式２０１３年１２月１８日
所在地山梨県南巨摩郡富士川町青柳町
構造教会堂木造平屋建牧師館木造２階建
延床面積教会堂１１３・２９㎡（３４・２７坪）
牧師館７８・９４㎡（２３・８７坪）
設計者西村建築設計事務所代表西村晴道

巨摩教会のテーマは「山辺に向かいて、われ目を上ぐ」（詩編１２１：１）を提案し、建物の全体的なデザインは、大海原に向かう船を表現した。北欧の礼拝堂には、よく帆船の模型が吊るされている。船に乗って全世界へ宣教に出て行くことを意味していると聞いた。

教会の正面ゲートは、帆をイメージした。十字架のマストがあり、そこから心を神に向けてエントランスに進む。建物は木造の帆船として正面に船首を向け、大屋根は波のイメージを色分けし、軒裏は海の水色。礼拝堂は、伝統的な落ち着いた木造の会堂だ。

天井高さは、肩部４メートル２７センチ、トップ部７メートル６５センチの空間。説教を聞き取りやすくするために、天井面と壁背面に吸音材を設け、反射面は他の壁面と床面とした。特に、正面聖壇壁は雲母の混じった細かな吹付材を使用し、音を乱反射させる。

聖壇は徳田隆二牧師より神学的なスタイルをとのことから、聖卓を中心に聖壇側から見て右側に神の右手＜福音の働き＞の講壇を、左側に神の左手＜指示と要求＞の聖書台を、洗礼盤は生まれ変わりを意識する正面のよく見える位置に置いた。