2017年9月14日04時56分

温故知神―福音は東方世界へ(80)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本25 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

温故知神―福音は東方世界へ(80)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本25 川口一彦

<本文と拓本>文字32(739+32=771)

其土出火綿布返魂香明月珠夜光璧(其土は火綿布、返魂香、明月珠、夜光璧を出し)、俗無寇盗(俗に寇盗無く)、人有樂康(人に樂康有り)。法非景不行(法は景に非ざれば行われず)、主非徳不立(主は徳に非ざれば立たず)、

<現代訳>

[景教の発祥地について語れば]
国土は、火綿布(石綿)、返魂香(人を蘇生させる香り)、明月珠(別に夜明珠ともいい、月の明かりを出す玉)、夜光璧(闇を照らし出す玉)を出し、一般に盗難もなく平和で楽しく、景教の教えによって国主が立てられ、

<解説>

西アジアのペルシアでは景教によって国が建ち、平和であり、天然記念物も多く産出していたことを記し、誇りとしていることが分かります。

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。