2016年9月29日11時56分

温故知神—福音は東方世界へ(56)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本1 川口一彦

コラムニスト : 川口一彦

今回から大秦景教流行中国碑の現代訳と、愛知県春日井市に建った同じ碑から川口が拓本したものを掲載していきます。

現代訳と拓本1

<本文と拓本>
景教流行中国碑 並びに序
大秦寺(会堂)の僧(長老・牧師・主教)の景浄(シリア語名でアダム)が述べました。
長老アダムは中国の総主教で地方主教です。(シリア語文)

温故知神—福音は東方世界へ(56)大秦景教流行中国碑の現代訳と拓本1 川口一彦

<解説>
景教碑の文章を作成したのは、中国長安で景教徒たちの指導者であったアダムこと景浄です。景浄はアフガニスタンのバルク地方から中国景教の宣教と信徒育成のために遣わされました。

父は中国長安の主教で景教指導者のイズドボジード。景浄は父が中国皇帝に説教した証しを碑に刻む必要を感じ、これを建設しました。

※ 参考文献
『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』(改訂新装版、イーグレープ、2014年)
『景教のたどった道―東周りのキリスト教』(キリスト新聞社、2005年)

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川口一彦

川口一彦

(かわぐち・かずひこ)

愛知福音キリスト教会(日曜と火曜集会)ならびに名古屋北福音キリスト教会(水曜集会)の宣教牧師。フェイスブックで「景教の研究・川口」を開設。「漢字と聖書と福音」「仏教とキリスト教の違い」などを主題に出張講演も行う。書家でもあり、聖書の言葉を筆文字で書いての宣教に使命がある。大学や県立病院、各地の書道教室で書を教えている。基督教教育学博士。東海聖句書道会会員、書道団体以文会監事。古代シリア語研究者で日本景教研究会代表。特に、唐代中国に伝わった東方景教を紹介している。著書に『景教—東回りの古代キリスト教・景教とその波及—』など。