2016年9月18日06時57分

定年後の生き方 安食弘幸(52)

コラムニスト : 安食弘幸

「こういうわけで、いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。その中で一番すぐれているのは愛です」(Ⅰコリント13:13)

これから団塊の世代の方々が、次々と定年を迎えます。一人一人が定年後に備えてさまざまな準備や計画を立てていると思います。しかし、ある保険会社のアンケート報告によれば「生まれ変わってまた同じ女房と一緒になりたい男性は75パーセントに対して、また同じ夫と一緒になりたい女性は20パーセント」です。また熟年離婚の件数も年々増えています。しかも、妻のほうから離婚を切り出すケースが増えています。

定年を迎えた夫に対しての妻の嘆きの言葉に、耳を傾けてください。

「あなた3食とも家で食べるんですか。どこか行く所ないんですか」「厄介な子どもが1人増えたみたい、足手まといで粗大ゴミのようです」「お昼時になると階段を降りて来る亭主を見るとイライラする」「私にも定年が欲しい」

「こんなはずではなかった」と思って後悔する前に、男性は自分の歩みを少し反省する必要があるのではないでしょうか。

経営・能力開発研究会代表の田口誠弘さんは、多くのコンサルティング経験から、どういう人が定年後の生活に適応できないか、ある条件が見えてきたと言います。

その条件とは、

  1. 組織内の地位の高い人。特に部下を顎で使ってきた人。
  2. 企業戦士時代、家族を無視して、育児も教育も妻任せで、日曜ゴルフなどで過ごしてきた人。
  3. 仕事中毒で、疲れ切っている人。
  4. ストレスいっぱい、体調不良、多量の薬に頼っている人。
  5. 感謝、感動のない人。
  6. 社外に友達や人脈のない人。
  7. 同窓会でやたらと権勢をはり、かっこつける人。
  8. 長期間夫婦仲の悪い人。特に妻に暴言を吐く人。
  9. 仕事以外に何もない人、趣味のない人。
  10. 家事は妻の仕事だと思い込んで一切手を出さない人。
  11. 妻が自分の下の世話をするものと決めてかかっている人。

この内の2つ以上に当てはまるなら、かなり危険地帯にいるそうです。

田口さんはさらに言います。

「家族から嫌われる人は地域からも必ず嫌われる。夫婦仲の悪さは、全ての問題の根源になる。夫婦仲が悪くなると、人は病気になりやすい。上に挙げたような生き方は皆、聖書の教えに反している。聖書に反しているということは、愛が無いということである。愛の無い生き方は必ず破綻する」

定年後の生き方に不安のある人や、夫婦間に問題を抱えている人は、聖書の言葉に耳を傾ける必要があります。

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安食弘幸

安食弘幸

(あんじき・ひろゆき)

峰町キリスト教会牧師。1951年、島根県出雲市に生まれる。関西学院大学社会学部卒。大学時代は硬式野球、関西六大学リーグのスラッガーとして活躍。関西聖書学院卒。セント・チャールズ大卒(哲学博士)。JTJ宣教神学校講師、国内外の教会や一般企業、ミッションスクール、病院、福祉施設などで講演活動を行っている。著書に『キリストを宣べ伝える―コリント人への手紙第二』『心の井戸を深く掘れ』『道徳力―モーセの十戒に学ぶ―』『ルツの選択、エステルの決断』など多数。

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