2016年6月1日18時20分

そうじ力(1)整理と整頓が人生を豊かにする 菅野直基

コラムニスト : 菅野直基

整理と整頓をひとまとめにして「整理・整頓」という言葉があります。小学生時代、「身の回りの整理整頓をしましょう!」という標語がありました。内心、「キレイにすればいいんでしょ!」とあまり真剣に受け止めていませんでした。

45年間生きてきて感じるのは、整理と整頓の大切さです。まず「整理」は、「いる物といらない物を分けて、いらない物を捨てる」ことです。

ちょっと数えただけで、私が関わっている団体は20以上あります。それぞれの会議で資料が配られます。以前は、団体ごとにファイルを作って律儀に保管していました。しかし、保管しても、それを見返すことはまずないことに気付きました。役職を退任し、次の役員の方に引き継いだときくらいです。

1年間は保管しますが、1年過ぎて使わなかった資料はきれいさっぱり捨てることにしました。会議資料、チラシ、文章などだけでも膨大な量になります。1年間使わなかった資料を捨てるだけで、段ボール箱2箱分のスペースが有効に使えるようになりました。ただ、頂いた名刺と手紙は取っておくことにしています。

整理は、
①「いる物」と「いらない物」を分ける
②「いらない物」を捨てること。

整頓は、整理が終わった後の段階です。「必要な物をいつでも取り出せるように、秩序立てて配置すること」です。

資料の中でも、自分に関係する重要な資料が幾つかあります。整頓ができていないと、資料が欲しくなっても「あれどこに置いたっけ?」と考え込み、捜す時間が無駄なので、関係者に電話をして聞くことがあります。

これは、整頓ができていないからです。整頓ができていたら、ものの1分で必要な書類を手にすることができます。

整理と整頓は、時間があったらやるのではなく、第一にしなければならない仕事です。自分の部屋が汚かったら、仕事を休んででも整理と整頓をした方がいいくらい大切な仕事だと思います。

しっかり整理と整頓ができていると、気持ちがいいです。仕事がはかどります。物を捜す無駄な時間が省けます。

こういうことを書く私は、さぞ整理と整頓がうまいだろう?と思われるかもしれません。そうだといいのですが、苦手です。だから、自分にハッパを掛けるために、あえてこのような文章を書きます。

次に、整理と整頓は、身の回りだけではなく、心の中も行いましょう。まず整理は、「いる物といらない物を分けて、いらない物を捨てる」ことでした。心の中にある「いる情報」と「いらない情報」を分けてください。

元気がある人と元気がない人の違いは何でしょう? 元気がある人は、「いらない情報」より「いる情報」を心に多く蓄えている人です。元気がない人はその逆で、「いる情報」より「いらない情報」を心に多く蓄えています。

「いる情報」は、心に元気とやる気を与え、肯定的な気持ちにさせてくれます。「いらない情報」は、心から元気とやる気を奪い、否定的な気持ちにさせます。イライラしやすい人は、情報過多で情報処理がうまくいっていない人です。

私は、毎朝祈り、聖書を読むことで、「いる情報といらない情報を分けて、いらない情報を捨てる」作業をします。その上で、心の整頓をします。

もし心が整頓されていなければ、たくさんの知識を持っていても、必要なときにそれが出てこないので、知識や経験が生かされてきません。会議の場で、心が整理され、整頓されていると、必要なときに必要な発言をすることができます。

毎日文章を書いていますが、心が整理され、整頓されていると、ものの10分もあれば文章を書き上げることができます。心がごちゃごちゃのときには、1時間かけても文章が仕上がらないこともあります。

心が整理され、整頓されていないと、牧師のほとんどの仕事をこなすことができません。相談を受けたら、その場で適切なアドバイスをし、励ましや慰めの言葉を掛けてあげる必要があります。心が整理され、整頓されてこそ、切れ味の良いカウンセリングやコーチングができます。

整理と整頓を二の次、三の次、暇があったらと後回しにしないで、第一にすべき仕事として取り組んでいきたいものです。仕事が何倍にも効率的で、楽しくなり、充実した一日を過ごせるに違いありません。

素敵な一日でありますように。

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菅野直基

菅野直基

(かんの・なおき)

1971年東京都生まれ。新宿福興教会牧師。子ども公園伝道、路傍伝道、ホームレス救済伝道、買売春レスキュー・ミッションなどの地域に根ざした宣教活動や、海外や国内での巡回伝道、各種聖会での賛美リードや奏楽、日本の津々浦々での冠婚葬祭の司式など、幅広く奉仕している。日本民族総福音化運動協議会理事。

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