さとうりょうこ   

1978年生まれ。埼玉県在住。2013年、友人の導きにより、日本ホーリネス教団久喜キリスト教会において信仰を持つ。現在、県内の障がい者施設で働きながら、加須市の東埼玉バプテスト教会に通い、2018年4月1日イースターに木田浩靖牧師のもとでバプテスマを受ける。フェイスブックページ「さとうりょうこ 祈りの部屋」。

記事一覧

続・背徳の街のマリヤ~悪魔の花嫁~

続・背徳の街のマリヤ~悪魔の花嫁~(3)悪魔の花嫁

「いつまで寝ているんだい?怠け者め!」。そう声がしたかと思うと、アンナはわき腹を蹴られて目を覚ましました。見上げると、この店にもう20年も暮らしているサダ姉が目を吊り上げておりました。

2019年08月17日12時31分

背徳の街のマリヤ(1)暗く深い闇

続・背徳の街のマリヤ~悪魔の花嫁~(2)猫吊り通り

その晩、夕食の祈りの後でマリヤは手紙のことを父に話しました。そしていつかマリヤを助けてくれた少女、アンナに会いに行きたいと伝えました。父はしばらくうつむいて、送られてきたカードを何度も見るとため息をつきました。

2019年08月09日21時59分

背徳の街のマリヤ(1)暗く深い闇

続・背徳の街のマリヤ~悪魔の花嫁~(1)「たすけて」

「お父さん、まだ帰ってこないのかしら」。マリヤは、不安げに窓の外をのぞきました。「大丈夫よ。寄り道をして、マリヤにプレゼントでも買っているのかもしれないよ」。そう言って笑う母親は、台所でコロッケを揚げています。

2019年08月02日22時08分

背徳の街のマリヤ(1)暗く深い闇

背徳の街のマリヤ(最終回)最も高価な愛

不思議です。大嫌いだった朝の景色が、輝いて見えるのです。今まで花なんて見たことがなかった汚い路地に、ここにも、そこにも、小さな野花が顔を出していることに気付きました。

2019年04月14日22時49分

背徳の街のマリヤ(1)暗く深い闇

背徳の街のマリヤ(4)あたたかな光

「あなたは誰ですか」。マリヤはうなされるようにそう言って、寝返りを打ちました。マリヤはあの朝、やっとのことで立ち上がり、自分の部屋に戻ったはいいけれど、それからもう10日間、高熱に侵され続けていたのです。

2019年04月07日22時04分

背徳の街のマリヤ(1)暗く深い闇

背徳の街のマリヤ(3)蜘蛛の巣

マリヤはカフェで働き口を見つけていました。カフェといっても、昼間からお酒を飲む人も少なくはなく、夜は騒がしく酔いどれ人で盛り上がり、朝方には踊り出す人もいる始末。このカフェの掃除や、泥酔する客の相手がマリヤの仕事でした。

2019年03月31日18時34分

背徳の街のマリヤ(1)暗く深い闇

背徳の街のマリヤ(2)闇の子

マリヤを乗せた列車はガタゴトと、線路の上をひた走りました。幾つもの村や町を通り過ぎて、終点の「背徳の街」を目指します。新聞やニュースで「背徳の街」のことを聞かない日はありませんでした。

2019年03月24日22時21分

背徳の街のマリヤ(1)暗く深い闇

背徳の街のマリヤ(1)暗く深い闇

七色のネオンが朝まできらめくビルディングの谷間でのことでした。「ねえ、一緒に飲まない?」。サテンのロングドレスに、くれない色のショールで寒そうに肩を隠したマリヤは、道行く男と目を合わせて、甘い声でささやきます。

2019年03月17日19時53分

はっつぁんとかおる姫(1)知っている景色

はっつぁんとかおる姫(最終回)真っ白な世界

光のまぶしさに目を覚ましました。まぶたの裏が焼けつくような、強烈な光でした。太陽の光が雪に反射して、真夏のようにまぶしい朝が来ておりました。寝ぼけ眼のまま、コートを羽織り、ポケットにお財布を入れ、長靴を履いて外に出ました。

2018年12月30日21時49分

はっつぁんとかおる姫(1)知っている景色

はっつぁんとかおる姫(5)長い夜

かおるは、通帳とにらめっこをしていました。はっつぁんのために、暖かいダウンジャケットを買ってあげようと思ったのです。しかし、生活費を切り詰めても、ダウンジャケットを買えるだけのお金は見当たりません。カレンダーを見上げてため息をつきます。

2018年12月23日23時58分

はっつぁんとかおる姫(1)知っている景色

はっつぁんとかおる姫(4)戒め

それから、幾日かたった真夜中のことでした。はっつぁんは、涙を流して「きよしこのよる」を口ずさんでおりました。公衆トイレの外灯で、はっつぁんは何日もかけて聖書を読みました。

2018年12月16日21時59分

はっつぁんとかおる姫(1)知っている景色

はっつぁんとかおる姫(3)自然の決まり

朝起きると、すぐに三角巾で頭を縛りました。戸棚からホールコーンを取り出して、ミキサーにかけます。ミルクを少しずつ注いでは、ミキサーを動かしました。お鍋いっぱいに仕上がると、カップ付きの大きな水筒に流し込みました。

2018年12月10日18時25分

はっつぁんとかおる姫(1)知っている景色

はっつぁんとかおる姫(2)大切なプレゼント

今日は特別な日になる予感がするのです。なぜなら今日は戸根先生に誘われて、ホームレスの方たちへの越冬炊き出しのボランティアに参加するのですから。隣町の教会の企画に戸根先生と奥様と、教会員の先輩たちと一緒に加わります。

2018年12月02日21時54分

はっつぁんとかおる姫(1)知っている景色

はっつぁんとかおる姫(1)知っている景色

朝が来ると、胸のしこりがうずきます。鉛のような固いしこりは鈍い痛みを伴って、体をぐんと重くします。かおるの胸のしこりの正体、それは「憎しみ」です。いっそ体を焼かれたほうが楽だ。そう思うほどにそのしこりは熱く焼けただれたように痛みます。

2018年11月25日6時57分

のりぼと神様(1)のりぼという少年

のりぼと神様(最終回)どうしようもない「思い」

のりぼはフロアで昼食の焼きそばを1人で食べました。おばさんは遠くの席で食べているのが見えました。そしてフロアを眺めると、先ほど、あちらの世界で「世界の終わりが近づいた!」と叫んでいた青年も遠くの席にいるのが見えました。

2018年05月25日7時30分

のりぼと神様(1)のりぼという少年

のりぼと神様(7)天のオーロラ

「おかえりなさい。分かりかけた?イエス様がなぜお生まれになったか」。そう聞いたのは確かにルビーでした。のりぼは白い繭(まゆ)でできた洞窟に寝ころんでいました。繭は金色に輝いて、ところどころにスミレのような花をつけています。

2018年05月18日8時47分

のりぼと神様(1)のりぼという少年

のりぼと神様(6)まぶねの中に

病室で朝を迎えました。6時のラジオ体操の音楽が、フロアから流れてきます。のりぼはのっそりと起きだして、歯磨きセットを持って病室を出ました。フロアに行くと、ぽつりぽつりと何人かがラジオ体操をしています。その中におばさんもいました。

2018年05月11日7時10分

のりぼと神様(1)のりぼという少年

のりぼと神様(5)いけにえおばさん

「のり坊、おいで」。お母さんの声がした気がします。ハッと目を覚まし、あたりを見回すと、草原が広がっておりました。あの時の美しい景色の中です。のりぼは「お母さん!」と呼びました。風が吹いています。

2018年05月04日21時27分

のりぼと神様(1)のりぼという少年

のりぼと神様(4)入院

そこは、見たことのない寝室でした。病室のようで、ベッドとテーブルのほかは何もありません。消灯時間が過ぎているのか、静かで薄暗く、病室の向こうも明かりが消えておりました。

2018年04月27日11時53分

のりぼと神様(1)のりぼという少年

のりぼと神様(3)天国への入り口

だんだんと視界がはっきりとしてくると、そこは、夕暮れ過ぎの一面の野原でした。七色の滲んだ群青色の空に、青い草原が広がっています。色の粒子の一粒一粒がはっきりと見え、感じられるような不思議な世界でした。風は、お母さんの言っていたように飴色に輝いています。

2018年04月20日11時51分

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