2011年6月8日15時58分

WCC-不正と暴力に打ち克つための教会の一致が必要

第33回プロテスタントキルヘンタークでメッセージを伝えるオラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事(写真提供:WCC)
 1日から5日までドイツドレスデンで開催された第33回プロテスタントキルヘンターク(教会大会)にて、世界教会協議会(WCC)のオラフ・フィクセ・トゥヴェイト総幹事は物質主義に対抗し、教会が一致することで正しい価値観を伝えていく必要性を伝えた。トゥヴェイト総幹事は「富と所有は私たちが神の人として生活する限り益となるものである」と述べ、富と所有欲が人間に間違った価値観をもたらしていると指摘した。

 ドイツで隔年で開催されるキルヘンタークには10万人以上のプロテスタントキリスト教徒らが集い、賛美や議論、信仰の深化のための集いが行われている。今年の大会においてドレスデンでは海外から7千人以上のプロテスタントキリスト教徒らがドイツでの大会に参加した。

「あなたの宝のあるところに、あなたの心もあるからです(マタイ6・21)」が今年度のキルヘンタークの標語となった。本年度のキルヘンタークには12万人以上のプロテスタントキリスト教徒が参加した。

 トゥヴェイト総幹事はキルヘンタークにて「心配事を少なくするために、より多くの富、より多くの武器、より強い軍備配置のための社会や同盟関係が世の中では構築されています。治安に関する心配ばかりに私たちの関心事を置くことは、この世の中における神の使命を手伝う者としての働きを困難にさせてしまいます。正義と平和、平等と一致が世界に伝わる仕事が遅れてしまいます」と述べた。

 トゥヴェイト総幹事は5月17日から25日までジャマイカキングストンで行われた国際エキュメニカル平和会議(IEPC)に参加した後、ドイツのキルヘンタークへ向かった。ジャマイカのIEPCには世界各国から1000人以上のキリスト者らが参加し「世界中で行われている暴力と不正、抑圧の痛ましい問題」について議論がなされた。IEPCでトゥヴェイト総幹事はキリスト者の一致を模索する際の核心として置くべき概念は「正義と平和」であると強調し、もし「正義と平和がエキュメニカル運動の核心になければ、また諸教会の運動の中心に置かれていないのであれば、私たちは世界に対し信用ある証人としての証しができないでしょう」と述べた。

 キルヘンタークでは「マタイ福音書6章21節は霊的な意味だけで読みとるだけではく、世の中でまだ福音が伝えられていない多くの人々に対する差し迫った現実において持続可能な社会や世界人類の生存のために黙想しなければならない聖句ではないでしょうか。人間的な力による富と所有、そして権力が人々や共同体を分裂させ、誤った人間的な価値観を導いてしまいます。価値観や身の安全を図る基準としての物質主義を否定する一致したメッセージを発していかなければなりません」と述べた。トゥヴェイト総幹事は不正や暴力、欲望、傲慢、汚職その他あらゆる人々の生存を脅かす脅威に打ち克つために、教会が真に一致して世の中に対して目に見える活動を示していくことが大事であると強調した。