2005年10月14日15時34分

キリスト教団体、パキスタン各地で活動



 約4百万人(国連発表)の被災者を出した今月8日のパキスタン大地震の救助活動に、複数の国際的キリスト教救助団体が全力で取り組んでいる。諸団体は現地の関係団体と連絡を取り合い、被災地に必要な物資を供給している。

 キリスト教系NGO(非政府組織)ワールド・ビジョンは現地時間13日、これまでにテントと毛布、飲料水のセット1000組を、同国の首都イスラマバードから北へ約100キロのマンセラに輸送したと発表した。マンセラの位置するパキスタン北部は大地震で最も多く死者を出した地域の一つだ。

 米キリスト教人道支援団体、ワールド・リリーフら各国のキリスト教団体も現地にワーカーを派遣したり、関係団体を通して救助活動を支援したりしている。

 最新のパキスタン政府の発表によれば、同政府はこれまでにパキスタン北部だけで4648人、国内全体で2万3千人の死亡を確認した。死者は最終的に3万5000人を上回るとみられている。

 ワールド・ビジョンのスタッフは現地の様子を「悲惨な状況」と報告している。負傷者の手当ては路上で行われ、道路わきに残されたままの遺体もあるという。衛生施設やライフラインが完全に破壊されおり、また食料や医薬品の不足も深刻だ。

 また、家を失い、野宿生活を余儀なくされている被災者は、推定で250万人いるとみられ、支援活動がほとんど追いつかない状況。

 震源地に近いムザファラバ−ドでは、人口12万5000人のうち、数万人が家を失い、衛生状態の悪化から伝染病の流行も懸念されている。