アジア財団、フリードリヒ・エーベルト財団、スタンフォード日本センターが主催する「外国人雇用に関するシンポジウム」が11日、関西経済連合会(大阪市北区)で開催される。日本国内の外国人雇用に関して、現状の把握と課題、展望について話し合われる。パネリストとして小池俊二氏((株)サンリット産業社長)、本山康之氏(カリフォルニア大学バークレー校)、ライナー・ガイスラー氏(ドイツ・カナダ両政府の移民問題委員会顧問・ジーゲン大学教授(ドイツ))、リバ・カストリヤノ氏(フランス・パリ政治学院教授)、坂中英徳氏(法務省東京入国管理局長)らを迎える。
グローバル化、少子高齢化の進展を受け、海外からの移住動労者受け入れは、日本だけでなくフランスやドイツでも重要な課題となっている。日本は外国人技術者の積極的な受け入れを提唱する一方、難民受け入れには極めて消極的であるという声も多い。また研修生として低賃金の労働を外国人に強いるなど、矛盾した施策が問題視されている。これは日本に限った問題ではなく、フランスやドイツでも、さまざまな文化背景を持った人たちの間で「共生社会」の実現へ向けての議論が交わされてきた。移民国家といわれるアメリカ、カナダ、オーストラリアも“価値ある”移民の受け入れをめぐる論争が絶えない。
本シンポシウムでは、世界各国の行政、学界、ビジネス、法界からパネリストを迎え、それぞれの観点からこの問題を提起し、日本における外国人雇用の展望と課題を考察するのが狙いだ。
12日には東京・港区赤坂でもシンポジウムが開催される。東京講演の詳細はアジア財団日本事務所(東京都港区南麻布5-2-32 興和広尾ビル2F FAX: 03・3442・3320 e-mail: [email protected])まで。 参加費無料。
◇◆外国人雇用に関するシンポジウム〜日本における外国人雇用について〜展望と課題〜◆◇
○日時 : 2003年11月11日(火)14:00−17:00
○場所 : 関西経済連合会会議室(大阪市北区中之島6−2−27中之島センタービル29階)
市バス:大阪駅前から53番(船津橋行)終点船津橋下車
地下鉄:千日前線阿波座駅下車9番出口徒歩約10分
○共催 : (財)アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)、(社)関西経済連合会
○後援 : 関西生産性本部
○テーマ : 「日本における外国人雇用について〜展望と課題〜」
○パネリスト:
・小池俊二( (株)サンリット産業社長)
「外国人雇用が地域経済に及ぼすインパクトについて」
・本山康之(カリフォルニア大学バークレー校助手)
「シリコンバレーにおける外国人技術者・専門職の状況と日本の比較」
・ライナー・ガイスラー
( ドイツ政府、カナダ政府の移民問題に関する顧問/ドイ ツ・ジーゲン大学教授(社会学)
「カナダとドイツにおける外国人労働者受け入れの経過と経験およびその結果について」
・リバ・カストリヤノ( フランス・パリ政治学院教授)
「大規模移民が起こった場合に国家的・民族的アイデンティティーが直面する課題について」
・坂中英徳(法務省東京入国管理局長)
「日本の移民政策及び手続きの変化と日本の選択肢について」
・丹羽雅雄(たんぽぽ総合法律事務所弁護士)
「日本が外国人雇用を拡大した場合に必要な準備と外国人、労働者の権利に ついて」
・ジャ・ダオジョン(中国人民大学国際関係学院副教授)
「日本における中国人労働者受け入れの改善点について」
○言語 : 日英同時通訳付
○参加費 : 無料
担当=関経連 国際グループ 三村・小川(Tel:06・6441・0104)