昨年6月に聖書館ビル(東京・銀座)に開設された恵泉女学園の恵泉銀座センターで26日、07年度春の講座の1つとして、一色義子・同学園理事長による「イエスを信じた女性たち」の第1回目が行なわれた。同学園の卒業生など約10名が参加し、一色氏は、女も男と同様に神さまのイメージにかたどられて創られたのだという視点を持つべきで、女性はそれをよく自覚して生きるべきだと伝えた。
「イエスを信じた女性たち」は今回が初回ということもあり、現在の新約聖書が「正典」として認められるようになった397年のカルタゴの公会議の話や、旧約聖書をヘブライ語聖書と呼ぶように変わりつつあることなど、聖書に関わる様々な話を織り交ぜながら授業が進められた。
一色氏は、世界教会協議会が初めて世界中の女性を集めて行った「女性差別に抗する教会女性会議」(74年)に唯一の日本人として参加し、日本が世界で最も女性の地位が低い国だと指摘された経験などを話した。
創世記1章26―27節を引用し、女は、男と同じく神に似せて創られたのであって、男と比べてなんら劣らない神のイメージを持った尊い存在であること、またそれは「こころに神の霊を受けることができる受け皿がかたどられている」という感謝すべきことなのだと教え、女性はそれを何よりも自覚して生きていくべきだと伝えた。
また、イエスが復活された現場に最初に立ち合わせたのも、男性であるイエスの12弟子たちではなく女性たちであったことや、そのときにイエスが伝えた復活の知らせも女性に第一に告げられたことなど、聖書の中でも女性が重要な役割を果たしていることを指摘した。
「イエスを信じた女性たち」は今回の授業も含めて4回行なわれ、次回は来月31日となっている。次回からは主に使徒言行録を中心に扱い、現在の地図を用いながら、パウロが歩いた宣教の道のりを一つひとつ見ていくことになる。
07年度春の講座では、同講座のほかに「聖書の心に出会うために〜スタディー・バイブルを読み合わせる〜」(川田殖氏)、「永遠の生命と隣人〜日本の私たちの文化と聖書の対話」(湯浅裕子氏)、「賛美歌・唱歌ものがたり」(大塚野百合氏)、「恵泉聖句書道教室」(二見采えん氏)の4つのキリスト教関連講座が行なわれ、「キャリアと女性」、「語学・教養」、「工芸」といったカテゴリ別の講座、合わせて39講座が行なわれる。
講座数は、同センターが開設された昨年よりも増えており、一色理事長は「できればこれからも増やしていきたい」と銀座で活発な活動をしていきたいと話した。