2006年10月17日09時25分

イスラム学者ら、ローマ教皇の謝罪受け入れ

世界各地のイスラム学者らがローマ教皇の「ジハード発言」に対する謝罪を受容した、と海外メディアが17日伝えた。


教皇のジハード発言をめぐり、15日にはイスラム学者が遺憾表明の声明を在ヨルダン教皇庁大使に送った。声明にはエジプト、オマーン、トルコ、ロシア、ボスニア等のスンニ派学者とイランのシーア派指導者、西欧のイスラム学者ら38人の署名があった。


学者らは教皇の謝罪を受け入れるにあたり、「教皇の発言には本人の意見が反映されていなかったと確信する」としたうえで、教皇を含め西欧社会がイスラム教に対して偏見をもっていると指摘した。


一方、ジハードについては、「神に示された手段で闘争するのみ。武力は必ずしも伴わない」と述べ、イスラム教過激派による暴力的な活動はイスラム教義とかけ離れていると主張した。


イスラム学者は、教皇がカトリック学者による資料に基づいてイスラム教を判断していると指摘、バランスの取れた視覚でイスラム教を見るよう促した。


教皇ベネディクト16世は先月、中世キリスト教皇帝の言葉を引用し、イスラム教の暴力性とジハードを関連させて発言し、イスラム諸国や信者の怒りを招いた。その後、教皇は発言に関する謝罪の意を数回表明したが、トルコでは11月の教皇訪問に反対する旅客機ハイジャック事件が起こるなどイスラム圏の反発が続いていた。