2006年6月13日10時47分

申鉉錫牧師の「日本宣教の夢」(2)


















申鉉錫(シン・ヒョンソク)牧師

 桜美林大学(obirin Univ.)の元人気講師、申鉉錫(シン・ヒョンソク)牧師のコラム第2回目です。このコラムは、韓国オーマイニュース(http://ohmynews.com/)に掲載され、当時大きな反響を呼びました。在日韓国人牧師という立場から、同師が日本宣教への夢を語ります。


◆一千万救霊運動とその行方


 日本のキリスト教界には「一千万救霊の実現」という合い言葉が定着している。『日本伝道論』(古屋安雄著、57頁)日本人一千万救霊運動はいつから始まったのか、また誰が始めたのかは後で記すことにして、ここでは一千万救霊とは何か、そして日本人総人口に対してであるか、またなぜ一千万なのか、そしてその可能性はあるのかを問い、われわれの関心を一千万救霊運動に向けたいと思うのである。


◆一千万救霊運動の提唱


 古屋牧師は1986年「日本伝道の幻を語る会」に招かれて、「わたしはかねてより、日本人口の『せめて10パーセント』をキリスト者にすることが、日本教会の急務である、ということを主張してきたものだからであります。日本人口の10パーセントというのは、ほぼ一千万人でありますから、日本キリスト伝道会が、『一千万救霊』を目指すことと、わたしが『10パーセント』を主張することとは一致するからである」と、従って一千万救霊は「日本教会の急務である」と力説している。


 以上で我々は、日本人一千万救霊運動は「日本教会の急務である」ことを知ることができる。


 更に日本人一千万救霊運動の呼びかけは、「日本キリスト伝道会」によってなされたと思われるし、また古屋安雄牧師の提唱によって始められたようにも思えるのである。従って日本人一千万救霊の呼びかけが誰によってなされたとしても、それは大いに喜ぶべき提唱であることは言うまでもないことである。


◆海外からの一千万救霊運動の呼びかけ


 アメリカのフラー神学校宣教学教授C・ピーター・ワグナーは、『日本の霊の壁を打ち破れ』の本の中で、「アメリカは日本に宣教師を送ってきたどの国よりも多くの宣教師を日本に送ってきたのです。・・・・ところが、結果はどの国よりも低いのです」と述べている。また教授は、「日本の総人口を1億二千万人として、自らをクリスチャンと称する人口は100万人と言っているけれども、実際はもっと少ない数である」と分析している。


 そして、最も注目すべき発言は、「二千年までに一千万人の日本人をキリストに導くという目標が日本に対して名言されているということです。神様は、まずパウロ・チョーヨンギ牧師にこの目標を与えられました。(1977年)。


 私は彼のボードのメンバーの一人ですし、年に時として数回、少なくとも一回は会います。彼が数年前に初めて、2000年までに一千万人の日本人をキリストに導くという目標を、私に話してくれた時を思い出します。私は、彼は気が違っていると思いました。私は非常に懐疑的だったのです」と。


 少し引用が長くなったけれど、「日本人一千万救霊運動」の最初の提唱者は、どうやら韓国のソウル・ヨイド純福音中央教会のパウロ・チョーヨンギ牧師であったらしい。


 また教授は、チョーヨンギ牧師が一千万救霊を唱える数年前に「50万人の教会の目標が与えられていると彼は私に言いました。その時も、私は彼が気違いだと思いました。でも、実際にそれが起こったのです。(中略)『ちょっとまてよ』と私は思いました。『この人は、神の声を聴く人なのだ。その彼が今に、日本人一千万人をキリストへという目標を宣言するのならば、多分、その目標は神から来たものに違いない』そして1988年、私自身も一千万人の日本人の救いのために祈るようになりました。


 これは、今や、チョー博士だけでなく、私の目標でもあるのです。そして、紳士、淑女の皆様!これは実際に起こります!2000年までに一千万人のクリスチャンが起こされます」と。


◆おわりに


 我々は未だ日本人一千万人が救われたという報告を聞かない。またそのようなデータを持たない。


 従ってC・ピーター・ワグナー教授の預言も、パウロ・チョーヨンギ牧師の預言も成就したとは言えない。かといってその預言が嘘であるとか、預言が外れたとは思わない。なぜならそれは、彼らが持っている個人的な、霊的な確信であるからであり、たとえその確信によって与えられた預言が外れたとしても、日本人一千万救霊を切なる心情で持ち続けた思いがなくなってしまったのではないから、その預言は来る21世紀の宣教へと持ち越されるものであると信じる。まさに聖書の「愛する人たち、このことだけは忘れないでほしい。


 主のもとでは、一日は千年のようで、千年は一日のようです」(ペトロ第2の手紙3:8)という御言葉に支えられて、日本人一千万救霊運動の為に働くことが我々の夢であり使命であると信じる。特に韓国教会が預言の重みを負うべきであろう。(►次回に続く)