2011年3月31日16時36分

東日本巨大地震:原発事故不安を越えて

平野耕一<br/>東京ホライズンチャペル牧師
 お祈りと物資の献品、また献金を感謝いたします。

 2度にわたり被災地を訪問したことにより、教会が長い間待ちわびていた伝道のチャンスが来たことを実感しました。主は「あなたがたは世の光です。あなたの光を人々の前で輝かせなさい」と命じました。被災の暗さの中で、クリスチャンのよき働きが輝いています。いつもはクリスチャンを無視し、福音に耳を傾けない人々が、今は大手を広げて福音の証し(愛の行為)を受け入れてくれています。

 今週の活動を報告いたします。

 救援物資運搬も3週目に入り、幾つかの点で拡張することができています。第4便はトラック1台、バン2台で被災地へ向かい、奉仕をすることができました。トラックは2トンロングを手配することにより、従来より1・5倍の物資を運搬することができました。ドライバーとして参加した3名中、2名はノンクリスチャンの参加者です。

 トラックへの積載物資は、個人から提供された救援物資が中心ですが、特に必要な物資は皆様からの献金を用いて購入し、積載しました。購入物資は次の通りです。市場仲買野菜(25万円相当)、量販店で購入した下着と靴下、灯油ヒーター10台、灯油数十缶、カセット・コンロ、カセット・ガスなどです。

 2台のバンには、町田チャペルの大学生会(11名)を中心に、2名のインターナショナルメンバーと私の計14名が乗り込み、被災地で1泊2日の奉仕活動をしました。朝6時に東京を出発し、翌日18時には無事に帰宅しました。期待以上の素晴らしい支援旅行になりました。活動内容は下記の通りです。

 【1日目】
 1.津波で壊滅的な被害を受けていた米屋の片付けでしたが、山のような破損物と30キロの米袋を運び、かつ整理しました。
 2.夕方には小学校の体育館に温泉のお湯400リットルを持って行き、避難している方々の足を洗って差し上げるという足湯サービス。

 【2日目】
 引き続き、米屋さんの倉庫の片づけをしました。手のつけようもない状態で途方に暮れていた40歳ほどの店主は、涙を流して感謝していました。

 米屋の主人は「これだけの人数でできるなんて夢みたいだ」と言っていました。また学生たちも貴重な経験をしましたが、同行したノンクリスチャンの若者は、ホライズンの学生会と働いて「これから教会に来る」と決断したようです。

 当初は1泊の予定でしたが、4名の学生は無期限での奉仕活動を希望したので置いてきました。やる気満々です。私自身は労働できずに見守りましたが、みんな笑顔でさわやかに働いていました。

 私は情報収集のため、牧師に連れられて各所を観察してきました。その中で、いわき市内より35倍の放射能が計測されている北部の久之浜に放射線計測機を運びました。

 久之浜の被害状況は、小名浜よりはるかにひどいもので圧倒されました。小名浜は先週に比べてかなり整理されていましたが、久之浜は全く整理されておらず、崩壊したそのままの状態でした。

 第5便は今日、31日朝6時からトラック(2トン)で物資運搬をしています。今回は沖縄の教会から届いた溢れるばかりの救援物資と、市場仲買で購入した野菜(30万円相当)を積載することができました。またバンには4名が乗車し、泊まり込みの奉仕をします。その中には60代の男性が名古屋から新幹線で来て参加しています。

 第5便の行先はいわき市ではなく、宮城県柴田町にある「仙南中央病院」です。実は昨日、前記病院の診療放射線技師が医薬品調達のために上京していたところ、ホライズンチャペルの働きを知って訪問してくださいました。被災地で、病院給食をはじめとして医薬品、生活物資全般が不足していることを私たちに訴えられたのです。新たな支援要請を受けて、この病院を今後も助けていくために動き出しています。

 特に必要としている物資は、炊き出しに使える野菜、果物、ボトル詰めされた水、下着類、大人用オムツ、ガソリン・灯油などの燃料、身体を拭くことのできる厚手のウェットティッシュなどです。

 また、いわき市では、市内は電気、ガス、水道が整備されましたが、沿岸付近では水道だけは修復されていませんでした。スーパーその他のストアやレストランも開くようになり、ガソリンなども容易に購入できるようになっていました。今は、市の職員が積極的に活動を開始し、人々の必要は満たされつつあるように見受けられました。

 これからは、物資が届けられていない被災地を目指して運搬活動を行っていきます。もし、情報がありましたら連絡をください。また、奉仕活動はますます必要とされていますので、長期的なボランティアを求めています。

 献金を心から感謝します。私は当教会以外に献金を求めませんでしたが、多くの方々が応答してくださり、111,379円の献金(3月28日現在)がありました。現在までに、物資購入、トラックレンタル、ガソリン購入以外には使用していませんし、これからも同じように使用するつもりです。もし、献金を希望されますなら、下記までご送金ください。

 振込先銀行:三井住友銀行 (0009)
 支店名:町田支店(847)
 口座:普通口座
 番号:9051107
 口座名義:ワールドティーチジャパン

 東京ホライズンチャペル(世田谷)
 〒156-0054
 東京都世田谷区桜丘5-21-7
 Tel:03-5450-7755
 http://www.horizonchapel.jp/(活動報告はHPで順次UPします)

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 平野耕一(ひらの・こういち):1944年、東京に生まれる。東京聖書学院、デューク大学院卒業。17年間アメリカの教会で牧師を務めた後、1989年帰国。現在、東京ホライズンチャペル牧師。著書『ヤベツの祈り』他多数。