2010年8月17日11時31分

「教会はストリッパーに手を差し伸べるべき」

 【CJC=東京】米オハイオ州コロンバスの郊外ワルシャウの『ニュービギニングズ・ミニストリーズ』教会の前にストリッパーたちがここ数週間、抗議のため日曜日になると教会堂前にキャンプを張り、ビキニ姿で踊っていた。同教会が、存在そのものを迷惑だとして、4年前から近くのニューキャッスルにあるフォックスホール・ストリップ・クラブの閉鎖を経営者トミー・ジョージ氏に要求し、クラブ前で反対活動を「宣教」と称して続けていることに、抗議するもの。ストリッパーたちは「家族を養わなければ」と言う。



 8月15日、礼拝を終えて、ビル・ダンフィー牧師や女性の教会員は会堂から出て和解へ腕を広げた。牧師は「売春婦ではない」と繰り返し泣いているストリッパーを受け入れようとした。しばらくして2人は抱き合った。



 ただこれで和解が成立したというわけではない。話し合いを始めることに、双方は合意したとして、「もう終わった。戦いは終わった」とシェリ・ブラウン氏は語る。同氏はカリフォルニア州サンディエゴでストリッパーに宣教している。話し合いへの道をつけたのが彼女だ。しかし双方の確認は得られていないという。



 15日の礼拝では、ブラウン氏と、ストリッパーから転じてキリスト者になったミシガン州グランドラピッズのアンニー・ダンワルド氏がゲスト説教者として講壇に立った。



 2人は、ストリップクラブの駐車場で行っていた教会の抗議デモを再考するよう促し、ストリッパーたちに霊的に接する方法を示唆した。「女性たちに、今出て行けということがわたしたちのなすべきことではない。彼女たちをひたすら愛そう。聖霊が導き出すだろう」とダンワルド氏は説教で語った。



 ダンワルド氏とブラウン氏は前週末、クラブに行きストリッパーたちと会った。「2人はイエスを心に受け止めた」と、ブラウン氏は語り、歓迎の拍手を受けた。



 ただ彼女たちはそれでも仕事をすぐに止めるつもりはない、という。中の1人ジーナ・ヒューズさんは「私たちの心はイエスと共にあるが、私たちの身体は、フォックスホールにある」と述べた。彼女たちは、教会に抗議した際、礼拝出席を勧められたが、拒絶した。教会にとって勝利だ、と誤解されるのを避けたいからだという。