2009年10月26日08時50分

万代栄嗣牧師・・・主が「最も大切なもの」と言われた戒め

万代栄嗣牧師

 ・・・彼らのうちのひとりの律法の専門家が、イエスをためそうとして、尋ねた。「先生。律法の中で、たいせつな戒めはどれですか。」そこで、イエスは彼に言われた。「『心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』これがたいせつな第一の戒めです。『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。』という第二の戒めも、それと同じようにたいせつです。律法全体と預言者とが、この二つの戒めにかかっているのです。」(マタイ22章34節〜40節)



 今日は、特にこの37節「心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。」とイエスが言われた御言葉をしっかりと受け止めたいと思います。



 パリサイ人や律法学者たちがイエスを言葉の罠にかけようとして、イエスに問いかけました。



 旧約聖書の膨大な教えと、それから発生した無数の律法の規則の中で、一番大切なものは何かと尋ねたのです。律法学者であっても簡単には答えられない質問をあえて浴びせかけたのでした。



 するとイエスは「『心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛せよ。』これがたいせつな第一の戒めです。『あなたの隣人をあなた自身のように愛せよ。』という第二の戒めも、それと同じようにたいせつです。」と、即座に答えられました。



 聖書の中でこの御言葉は何度も繰り返されています。(申命記6:5、ヨシュア22:5、II列王記23:25参照)



 イエスは私たちに対して、聖書の教えの中でシンプルに、最も大切なものを語って下さいました。



1.最も大切なものを最も大切なものとして信じる



 ときとして、良いものをたくさん集めたつもりが、結局はゴミの山になってしまうということがあります。そういうときに私たちはもう一度、基本中の基本を確認したいのです。クリスチャンにとって一番大切なものは何ですか。



 律法学者やパリサイ人たちは、神の教えや大切な信仰の規則を学んでいるつもりでしたが、一番重要な神への素直な信仰を忘れていたのです。



 イエスはおっしゃいます。心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。



 イエスの教えは簡単で、はっきりとした中心点があります。イエスが語られたその教えのど真ん中、最も大切なものを、最も大切なものとして受け止めていきましょう。



2.最も大切なものを最も大切なものとして行動する



 人生は理屈だけで動くものではなく、実際に行動してみなければ意味がありません。政治でも公約だけなら誰でも言えます。しかしそれを行動に移し、本当に実現できるかどうかが問われるのです。



 様々な宗教の物語の中にたくさんの神々が存在します。しかし、私たちのために愛を現わし、自らこの地上で人となり、私たちの命を贖うために十字架にのぼり、命を捨てて下さった救い主、イエス・キリストによって現わされた真の神以外に、私たちを救って下さる神はおられません。



 その真の神から恵みをいただく私たちは、この最も大切なものを、同じように最も大切なものとして行動してみようではありませんか。



 あなたの生活の中で、とりあえず礼拝に行ってきたとか、とりあえず献金しておいたら、など、やっつけ仕事や「とりあえず」というような安っぽい言葉が、私たちの信仰生活の中に忍び込んでこないように気をつけたいのです。



 家族を愛することや仕事に対する責任も、あるいは人生の生き方、時間やお金の使い方でも、自分の感覚や興味、個性などで選ぶべきものではありません。



 私たちは、人間的なことをつい第一にしてしまいがちです。しかし、私たちの今の命を本当の意味で大切にするためには、何が必要なのでしょう。命の与え主であり、罪や悪の力の奴隷状態から私たちを解放して下さる、救い主イエス・キリストを通してご自身を現わされた神。その真の神への大切な思いを見失ってはなりません。



 私たちはどんなときもイエスが一番、神第一主義です。神様を第一として私たちの心が整えられる時に、家族に対しても正しく愛を注ぐことができるし、仕事も、神に対してするようにまじめに忠実にすることができ、与えられた人生の時間や能力も、一つ一つ大切に用いることができるのです。



 イエスの教えは決して難しくありません。



 心を尽くし、思いを尽くし、知力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。



 イエスご自身が、これを最も大切な教えだと言われたのですから、最も大切なものとして心の中に受け入れ、最も大切なものとして行動していきましょう。



 私たちが、クリスチャンとしての生き様を選び、それを行動に移すとき、今も生きて働かれる神の恵みを体験することができます。




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万代栄嗣(まんだい・えいじ)



 松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。



 また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。



 国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。