2005年12月3日19時04分

「アンクル・ジョン」と呼ばれた男 リアム・ノーラン著



 戦時中、ルーテル教会牧師から英軍捕虜収容所の通訳として香港に渡った渡辺潔氏の、神と人に仕える姿を描いた信仰の軌跡。



 恐怖に支配された捕虜収容所での信仰の葛藤や、国家を超えたクリスチャンの暖かい交わりを収録。生命の危険を顧みずに、キリストの歩まれた道を歩むことを選んだ1人の牧師が、現代に生きるクリスチャンに「信仰を生きる」意味を投げかける。



 終戦時に渡辺牧師の上官らが戦犯として裁かれる中、渡辺牧師は、戦時中に英軍からひそかに医薬品を受け取り、収容所の捕虜のもとへ届けた愛の行為をたたえられた。



以下は本書に記載された手紙。





関係者各位



ミスター・ジョン・K・ワタナベは、以前、九龍の日本陸軍指令本部の通訳であり、のちに占領地総督部の外務班に勤務し、日本軍占領中の香港で、貴重な働きをされた方です。



彼は自分の生命と自由を賭けて、私が憲兵隊に捕まるまで、欠かすことのできないジフテリアの抗毒剤、血清、薬品、ビタミン剤、資金を持ち込み、病人食の調整を手助けしてくれました。彼はボウエンロード野戦病院やスタンレー収容所に収監された人たちにも大いに尽くされました。その人道的信念のため、日本軍の手で非常に苦しめられたことも明らかです。



どうぞ、この手紙を読まれる皆様、彼を信頼し、必要な場合にご援助を賜りますよう願います。私は彼の勇気あるクリスチャンとしての行動によって、どんなに励まされたことでしょう。どうぞ、よろしくお願いします。



P・S・セルウィン・クラーク(香港政庁医療衛生局長)





税込価格 : ¥1,575

出版 : フォレストブックス

サイズ : B6変 / 285p

ISBN : 4−264−02386