2026年7月23日15時14分

日本基督教団と在日大韓基督教会が平和メッセージ 「今こそ、断固として戦争に反対」

原爆ドーム・原爆死没者慰霊碑
原爆ドームと広島の平和記念公園にある原爆死没者慰霊碑(写真:EarthScape ImageGraphy / Shutterstock)

日本基督教団は22日、在日大韓基督教会と共同の「平和メッセージ」を発表した。排外主義の広がりや戦前・戦中のアジア地域の植民地化、情報過多時代におけるフェイク情報、殺傷能力のある武器輸出の原則容認などに触れ、「今こそ、断固として戦争に反対する道を平和の主と共に歩まねばなりません」と訴えた。

両者は1984年に「和解と協力の宣教協約」を締結し、以来毎年この時期に共同でメッセージを発表している。メッセージは、日本基督教団の雲然(くもしかり)俊美議長と在日大韓基督教会の張慶泰総会長の連名で出され、冒頭に詩編65編6〜9節を引用。「隣人を自分のように愛しなさい」「コリアン・ジェノサイド」「情報過多時代」「戦争への道」の4つのテーマと祈りで構成されている。

「隣人を自分のように愛しなさい」では、排外主義が現政権で「その様相を国家的レベルで増幅していると言えます」と指摘。日本の暮らしは、さまざまな背景を持った人々によって彩られているとした上で、今国会で成立した改正入管法や国旗損壊処罰法について、排外主義につながりかねないと批判した。その上で、イエス・キリストが最も大切な掟(おきて)だとした「隣人を自分のように愛しなさい」(マルコ12:31)をわが身に刻むとした。

「コリアン・ジェノサイド」では、明治維新以降の近代化がアジア地域の植民地化の中で進められたとし、韓国併合や関東大震災における虐殺、日本軍慰安婦の問題に言及。犠牲者183人のうち朝鮮半島出身者が136人に上った長生炭鉱水没事故(1942年)にも触れた。その上で、「戦後になっても、なおこの植民地支配の傷跡は深く、決して消えることはありません」とし、歴史的事実に立って植民地主義を検証し、未来への扉を共に開いていくことを祈り願うとした。

「情報過多時代」では、ファクトチェックを怠ったまま意見を述べるあり方が広がっていると指摘し、「他者を傷つけることの想像力を十分に持てる個人・教会・社会とならなければなりません」と呼びかけた。人工知能(AI)を用いたフェイク情報や、AIの利用増加に伴う電力需要の増大が原発稼働推進を加速させることにも懸念を示した。

「戦争への道」では、世界で戦争が絶えず、「他国を攻撃することに徐々に慣れてしまっている世に、強い危惧と恐怖を覚えます」と懸念を示した。日本についても「戦争の出来る国へと、あからさまに動こうとしています」と危機感をあらわにした。政府が4月に決定した殺傷能力のある武器輸出の原則容認は、「平和憲法の象徴である9条のなし崩し的な解釈変更」だと批判。政府が7月末の設置に向け調整している国家情報局についても、戦争に反対する声を封じ込めることを容易にすると問題視した。