「私の父は祖父から引き継いだ会社を経営していました。ところが、完全主義の性格のせいで他人の失敗を赦(ゆる)すことができず、すぐにかっとなって怒りを爆発させるため、重要な取引先を次々に失い、従業員の多くも退職し、会社が倒産してしまいました」
父親の会社の破産手続きについて相談に来た方が、こう語っていた。
1. アンガーマネジメント
「自分の心を治める」ことほど難しいことはない。ささいなことで心は動揺し、怒りや悲しみ、失望、恨みなどの否定的な思いにとらわれてしまう。時間がたてば平常心に戻るのに、こだわっていると否定的な思いが増幅してしまい、自分だけでなく周囲にも悪影響を及ぼしかねない。
「怒りの管理」(アンガーマネジメント)という手法がある。
この手法は、怒りを消し去るものではない。怒りそのものは人間の自然な感情であり、時には「義憤」と呼ばれる怒りのように必要なものでもある。
アンガーマネジメントでは、3つの手法が提唱されている。第一に、怒りがこみ上げてきたら、それを瞬間的に暴発させないで、6秒間じっと我慢する。これは「6秒ルール」と呼ばれ、6秒の抑制で怒りの暴発が静まるのだという。
だが、これだけで怒りが完全に消えるわけではない。第二に、「赦せるか」「赦せないか」を判別する。怒っている事柄を赦せる場合は、相手を赦すことで怒りの気持ちが消滅する。
第三に、しかしどうしても赦せない場合は、「重要か」「重要でないか」で対応を決める。重要でなければ「まあ、いいか」と忘れてしまい、重要であれば冷静に具体的な対策を考えてこれを実行する。
2. 自分の心を治める聖書の手法
「心(マインド)は神とサタンの戦場である」といわれる。純真な思いで神の御心に従うのも、邪悪な思いでサタンの誘惑に従うのも、同じ心である。
「自分の心を治める者」とは「神の思いによって心を治めている者」である。言い換えれば「キリストの平安に支配されている者」である。神の平安はこの世が与える平安とは異次元のものである。
この世が与える平安とは、財産があるから、地位が高いから、学歴があるから、健康だから、家族がしっかりしているから……大丈夫だという平安である。
しかし、神の平安はいかなる状況にあっても揺るがない平安である。災害や混乱の中にあっても、穏やかに聖霊に満たされている状態である。柔和と平安は聖霊の実であると書かれている。だから聖書の言葉を信じることこそが「自分の心を治める」真の力である。
怒りをおそくする者は勇士にまさり、自分の心を治める者は城を攻め取る者にまさる。(箴言16:32、口語訳)
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