2026年7月22日23時31分

自分の心を治める 佐々木満男

コラムニスト : 佐々木満男

「私の父は祖父から引き継いだ会社を経営していました。ところが、完全主義の性格のせいで他人の失敗を赦(ゆる)すことができず、すぐにかっとなって怒りを爆発させるため、重要な取引先を次々に失い、従業員の多くも退職し、会社が倒産してしまいました」

父親の会社の破産手続きについて相談に来た方が、こう語っていた。

1. アンガーマネジメント

「自分の心を治める」ことほど難しいことはない。ささいなことで心は動揺し、怒りや悲しみ、失望、恨みなどの否定的な思いにとらわれてしまう。時間がたてば平常心に戻るのに、こだわっていると否定的な思いが増幅してしまい、自分だけでなく周囲にも悪影響を及ぼしかねない。

「怒りの管理」(アンガーマネジメント)という手法がある。

この手法は、怒りを消し去るものではない。怒りそのものは人間の自然な感情であり、時には「義憤」と呼ばれる怒りのように必要なものでもある。

アンガーマネジメントでは、3つの手法が提唱されている。第一に、怒りがこみ上げてきたら、それを瞬間的に暴発させないで、6秒間じっと我慢する。これは「6秒ルール」と呼ばれ、6秒の抑制で怒りの暴発が静まるのだという。

だが、これだけで怒りが完全に消えるわけではない。第二に、「赦せるか」「赦せないか」を判別する。怒っている事柄を赦せる場合は、相手を赦すことで怒りの気持ちが消滅する。

第三に、しかしどうしても赦せない場合は、「重要か」「重要でないか」で対応を決める。重要でなければ「まあ、いいか」と忘れてしまい、重要であれば冷静に具体的な対策を考えてこれを実行する。

2. 自分の心を治める聖書の手法

「心(マインド)は神とサタンの戦場である」といわれる。純真な思いで神の御心に従うのも、邪悪な思いでサタンの誘惑に従うのも、同じ心である。

「自分の心を治める者」とは「神の思いによって心を治めている者」である。言い換えれば「キリストの平安に支配されている者」である。神の平安はこの世が与える平安とは異次元のものである。

この世が与える平安とは、財産があるから、地位が高いから、学歴があるから、健康だから、家族がしっかりしているから……大丈夫だという平安である。

しかし、神の平安はいかなる状況にあっても揺るがない平安である。災害や混乱の中にあっても、穏やかに聖霊に満たされている状態である。柔和と平安は聖霊の実であると書かれている。だから聖書の言葉を信じることこそが「自分の心を治める」真の力である。

怒りをおそくする者は勇士にまさり、自分の心を治める者は城を攻め取る者にまさる。(箴言16:32、口語訳)

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佐々木満男

佐々木満男

(ささき・みつお)

弁護士。東京大学法学部卒、モナシュ大学法科大学院卒、法学修士(LL. M)。インターナショナルVIPクラブ東京大学顧問。