
2026年1月、長らくベネズエラを支配してきたニコラス・マドゥロが、米軍の電撃的な作戦によって逮捕されたというニュースは、世界中に大きな衝撃をもたらした。
長年、米国から母国の宣教プロジェクトを支援してきたベネズエラ人のある宣教師は、この事態に対して極めて冷静な、そして鋭い警告を発している。彼によれば、この国の危機は単なる政治や経済の破綻ではなく、国家の根幹を揺るがす深い人間的、社会的悲劇なのだという。社会の土台そのものが変革されなければ、抑圧的なシステムはさらに強固で冷酷な形へと再編成されてしまうという。
この宣教師は、権力と霊性、そして社会正義が交差する最前線で戦っている。かつての独裁政権は、サンテリア(カリブ海地域の民間信仰)などの呪術的な占いオカルトを、権力の維持や正当化のための道具として巧みに利用してきた。これに対して、キリスト教会が提示すべきは、支配するための力ではなく、人間の尊厳と社会的責任を回復するための「仕える姿」である。
過去のラテンアメリカにおけるリバイバルの歴史を振り返ると、どれほど熱烈な霊的覚醒があっても、それが社会構造の変革や公共の利益と結び付かなければ、その炎はやがてむなしく消え去ってしまう。福音の核心は人々が自由に語り、働き、国家の思想統制なしに子どもを教育できるという、具体的で現実的な「自由」として社会に現れなければならない。
そのため、この宣教師は地元の指導者たちと共に、単に聖書の知識を教えるだけでなく、地域社会の起業支援や職業訓練といった包括的なアプローチに力を注いでいる。真理を日常生活の実践へと落とし込み、社会全体を根本から修復していくこと。それこそが、深く痛ましい傷を負ったベネズエラに残された唯一の統合的な再建の道なのである。
聖書は言う。
彼らは昔の廃墟を建て直し、かつての荒れ跡を復興し、廃墟の町々、代々の荒れ跡を一新する。(イザヤ61:4)
ベネズエラのために祈ろう。長年の独裁政権による破壊と混乱の後で、表面的な政権交代にとどまらず、社会の根底にキリストの愛と正義に基づく真の変革がもたらされるように。そして、ベネズエラの教会が権力にすり寄るのではなく、公共の益のために徹底して仕える共同体として、新しい国家の土台を築き上げていくことができるよう、祈っていただきたい。
■ ベネズエラの宗教人口
カトリック 71・1%
プロテスタント 12・2%
正教会関係 0・1%
イスラム 0・4%
ユダヤ教 0・1%
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