2026年7月5日19時15分

ワールドミッションレポート(7月5日):中国 結婚のプレッシャーを超えて─家の教会を支える独身の開拓者たち

執筆者 : 石野博

ワールドミッションレポート(7月5日):中国 結婚のプレッシャーを超えて─家の教会を支える独身の開拓者たち
中国福建省厦門(アモイ)市(写真:Jay Huang / CC BY 2.0)

急速な経済成長と徹底した国家の監視が同居するのが中国の巨大都市だ。上海や厦門(アモイ)といった大都市の片隅で密かに集まる「家の教会(地下教会)」において今、これまでの伝統的な教会の在り方を根底から覆すような静かで力強い変革が起きている。その変革の中心にいるのは、男女比で圧倒的な比率を占める「独身の女性信者たち」である。

現在、都市部の家の教会では、女性が男性を最大で5対1の比率で上回るという、極端な男女比の不均衡が生じている。さらに彼女たちの多くが高い教育を受けた専門職(プロフェッショナル)であり、「主にある者とだけ結婚する」という聖書の原則を固く守り抜こうとする結果、結婚の対象となる相手が極端に狭められ、厳しい待機状態に置かれているのだ。

中国社会において、結婚はしばしば「取引的な必要条件」と見なされ、適齢期を過ぎた独身者に対する親族や社会からのプレッシャーは、息が詰まるほど過酷なものだ。かつての教会もまた、彼女たちを早く結婚させるためのお見合いの場を提供するなどして奔走していた。

しかし現在、教会の指導者たちは劇的なパラダイムシフトを経験している。彼らは「独身」という状態を「結婚するまでの単なる待合室」と考えることをやめ、彼女たちをキリストの体における「最前線の開拓者」として尊び始めたのだ。

教会は、結婚を急がす代わりに、キリストにあるアイデンティティーを深めるための弟子訓練に力を注ぎ、男女がプレッシャーを感じずに自然に交流できるフェローシップの場を創り出している。

この視点の転換は、驚くべき実を結んでいる。独身の女性たちは、国家による監視のリスクにさらされながらも、小グループでリーダーシップを取り、地下集会の秘密の場所を管理するなど、教会のバックボーンとしてなくてはならない存在となっているのだ。「彼女たちはただ結婚を待っているのではなく、既に力強く神の国を築き上げているのです」と、あるリーダーは語る。

社会や親からの容赦ないプレッシャーによって心が折れそうになるとき、教会は彼女たちを無条件に受け入れる「第二の家族」となっている。一人の女性信者は、その喜びをこう証しする。「以前の教会は『いつ結婚するのか』とばかり尋ねてきました。でも今は違います。『今日のあなたの心の状態はどうですか』と聞いてくれるのです」

結婚という社会の強迫観念に縛られた国で、無条件の帰属意識を提供する家の教会は、まさに暗闇を照らす究極的な「カウンター・カルチャー(対抗文化)」と言えよう。

主イエスは言われた。

母の胎から独身者として生まれた人たちがいます。また、人から独身者にさせられた人たちもいます。また、天の御国のために、自分から独身者になった人たちもいます。それを受け入れることができる人は、受け入れなさい。(マタイ19:12)

独身は、欠けでもなく、不足でもなく、卑下されることでもない。それは余念なく神への献身に進ませる、麗しい召命であり賜物の一つなのだ。

中国の都市部で信仰を守る兄弟姉妹のために祈ろう。社会からの激しいプレッシャーと闘いながら、「主にある結婚」を待ち望んでいる独身の女性信者たちに、神の慰めと励ましが注がれるように。

彼女たちの独身の期間が、ただの待機ではなく、神の国を力強く前進させる成長の時として豊かに用いられるように。中国の家の教会が、傷ついた者や孤独な者たちを無条件に受け入れる「愛の避難所」として用いられるように祈っていただきたい。

■ 中国の宗教人口
プロテスタント 6・4%
カトリック 1・6%
無宗教 44・4%
儒教 28・5%
仏教 12・5%
イスラム 1・9%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。