2026年6月30日23時44分

ヘブライズムへの回帰は「第2の宗教改革」 川端光生牧師が講演

ヘブライズムへの回帰は「第2の宗教改革」 川端光生牧師が講演
講演に耳を傾ける参加者ら=29日、東京中央教会(東京都新宿区)で

「ジーザス・ジューン・フェスティバル2026」が29日、東京中央教会(東京都新宿区)で開かれ、佐久キリストの栄光教会(長野県佐久市)の川端光生牧師が、「ヘブライズムが世界を救う」と題して講演した。川端氏は、現在の世界と教会はヘレニズムに支配されていると警鐘を鳴らし、ヘブライズムへの回帰が「第2の宗教改革」になると訴えた。

川端氏は、宗教改革者のマルティン・ルターが初代教会への回帰を訴える中、「聖書のみ」「信仰のみ」「万人祭司」を掲げた一方で、抜けていたものが一つあったと指摘。それがヘブライズムであり、「西洋のキリスト教会はヘレニズムのままとどまってしまった」として、その問題が今日の教会に広がっていると語った。

ヘレニズムとヘブライズムは、西洋文明の2つの源流を表す言葉として、しばしば対の概念として用いられる。古代ギリシャに由来するヘレニズムは、理性や知性、論理を重んじるのに対し、古代ヘブライ(ユダヤ)の唯一神信仰に根ざすヘブライズムは、神への従順や道徳的な実践、知ることよりも行うことを重んじるとされる。

川端氏はヘレニズムについて、「人間を万物の基準」とする考え方だと指摘。古代ギリシャの哲学者プロタゴラスが「人間は万物の尺度である」と述べていたことなどを取り上げ、人間が神のようになり、善悪や人生の意味までも自ら決めようとするものだと説明した。

一方、こうした「人間を万物の基準」とする誤った姿は聖書にも描かれていると、川端氏は指摘する。「神のように善悪を知る者となる」と誘惑され、エデンの園にある「善悪の知識の木」の実を食べたアダムとエバ、天にも届く塔としてバベルの塔を建てた人々を挙げ、士師記21章25節に記される「おのおのが自分の目に正しいと思うことを行っていた」状態が、まさにそれに当たると語った。

ヘブライズムへの回帰は「第2の宗教改革」 川端光生牧師が講演
「ヘブライズムが世界を救う」と題して講演する川端光生牧師

これに対しヘブライズムは、「創造主を万物の基準」とする。ヘレニズムが論理で証明し説得しようとするのに対し、ヘブライズムは「宣言」すると川端氏。聖書の最初の一節である「初めに神は天と地を創造された」(創世記1章1節)は、神の存在を証明するのではなく、神がこの天地を造られたことを宣言するものであり、全ての権威と善悪の判断は神にあることを宣言していると述べた。

両者の違いは、問いの立て方にも表れるという。ヘレニズムは「この世界は何でできているのか」と問い、古代ギリシャ時代に既に原子の概念にもたどり着いていた。一方、ヘブライズムは「誰がこの世界を創造したのか」と問う。川端氏は、創造主である神が万物に意味と価値と目的を与えたのであり、世界は偶然の産物ではないと強調した。

「真理」に対する向き合い方も同様で、ヘレニズムは「真理とは何か」と問うのに対し、ヘブライズムは「真理とは誰か」と問うと説明。「真理とは誰か」に対する答えは一つで、「私は道であり、真理であり、命である」と語ったイエス・キリストにほかならない。川端氏は「(今も)生きておられる方(イエス・キリスト)が真理であり、その真理が私のうちにおられる。これがクリスチャン、これがヘブライズム」と話した。

ヘブライズムへの回帰は「第2の宗教改革」 川端光生牧師が講演
司会をする実行委員長の菅野直基牧師

その一方で川端氏は、「私は決して体験や理性を否定しているわけではありません」と言い、「体験や理性は道具なのです。基準ではないのです。それを基準にしてしまっていることが、ヘレニズムの間違いなのです」と説明した。

続いて川端氏は、ヘレニズムと並ぶ教会衰退の原因として、反ユダヤ主義を挙げた。西洋のキリスト教会は、ユダヤ人を「キリスト殺し」として長きにわたって迫害し、神学もそれを容認してきたと指摘。その傾向は、今日の教会にも及んでいると語った。

しかし、ユダヤ人は、神が「あなたを祝福する人を私は祝福し、あなたを呪う人を私は呪う」(創世記12章3節)と約束したアブラハムの子孫であり、「神に選ばれた民」だと川端氏。アブラハム以来、世界を祝福する源であり続けてきたと強調した。

川端氏は、唯一まことの創造主の存在を世界に知らせ、その言葉である聖書を世界にもたらし、全人類の救い主イエス・キリストを世界に送り出したのも、これらは全てユダヤ人によると指摘。また、聖霊が最初に注がれたのもユダヤ人であり、教会もユダヤ人から広がったとし、「これほどの恵みを世界は受けてきたのに、多くの人が気付いていない」と語った。

ヘブライズムへの回帰は「第2の宗教改革」 川端光生牧師が講演
集会でささげられた献金を囲んで感謝の祈りをささげる日本民族総福音化運動協議会の役員ら

川端氏は、このユダヤ人が持つ「ティクン・オラム(世界を修復する)」と呼ばれる使命は今も生きているとし、東日本大震災の際にイスラエルが各国に先がけて医療支援を送り込んだことを例に挙げた。その上で、「神がイスラエルを選び、(イスラエルを)祝福する者は祝福されるという原点に立たなければ、世界も聖書も正しく見えてこない」と訴えた。

川端氏は最後に、自身も自らの内にあるヘレニズム的な物の考え方を一つ一つ取り除く作業を続けていると明かし、「神の基準に全てを戻していくことが、世界を救い、教会に希望を取り戻すことになる」と語った。

ジーザス・ジューン・フェスティバルは、日本民族総福音化運動協議会の実行委員会が毎年6月に開催しており、今年で23回目。同協議会は、日本の若者が将来に希望を見いだせない状況を憂い、キリスト教信仰によって日本の国と民族を再建しようと、2003年に超教派の有志が結成。日本のリバイバルを求める個人や団体と協力し、全国規模で活動を展開している。