2026年6月29日10時55分

ワールドミッションレポート(6月29日):ラオス 精霊信仰と共産主義の壁─農村部で激化する見えない包囲網

執筆者 : 石野博

世界宣教祈祷課題(7月10日):ラオス
ラオスの首都ビエンチャン(写真:Jakub Hałun / CC BY-SA 4.0)

東南アジアの内陸国ラオス。今年の「ワールド・ウォッチ・リスト」で28位に位置するこの国は、一党独裁の共産主義体制と、古くから根付く強固な民間信仰という2つの分厚い壁によって、キリスト者たちを容赦なく締め付けている。

表面的には暴力的な襲撃事件が減少し、リストの順位こそ昨年から下がったものの、その実態は決して安全になったわけではない。むしろ現在、当局による聖書やキリスト教文書に対する監視と没収が、緊迫度を増して強化されており、聖書を国内に持ち込み、流通させることはかつてなく困難になっている。

ラオスにおける迫害の最も過酷な最前線は、都市部から遠く離れた農村地域だ。ここでは国の法律よりも、仏教とピーと呼ばれる土着の精霊信仰が混ざり合った伝統が絶対だ。キリストに従うために村の儀式や慣習を拒む者たちは、「精霊を怒らせ、村全体に災いをもたらす裏切り者だ」として激しい憎悪の標的となるのだ。

彼らの作物は無残に荒らされ、家屋は破壊され、愛する家族の遺体を村の墓地に埋葬することさえ拒絶される。最終的には、先祖代々受け継いできた土地から着の身着のままで追放されるという状況に追い込まれるのだ。

アーリー(仮名)という現地の信者は「私たちがクリスチャンであることは村で渋々認められても、福音を誰かと分かち合おうとすれば全く別の問題になります。それは絶対に許されないのです」と厳しい現実を語る。

中国への経済的依存を強める政府が共産主義のイデオロギーをさらに強固にする中、西洋の宗教と見なされるキリスト教への風当たりは、今後さらに厳しさを増していくことだろう。

主イエスは言われた。

あなたがたは世の光です。山の上にある町は隠れることができません。(マタイ5:14)

どれほど緻密な包囲網が敷かれようとも、彼らの内側で輝き始めた聖霊の光を完全に消し去ることは誰にもできない。

ラオスの兄弟姉妹のために祈ろう。農村部で信仰の故に村から追放され、全てを失った改宗者たちが、神の絶大な慰めと、御翼の陰にある避難所を見いだすことができるように。当局の厳しい監視の目をかいくぐって密かに集まる地下教会の信者たちに、恐れを打ち砕く平安と、御言葉への燃えるような飢え渇きが与えられるように。

そして、聖書や文書の没収が相次ぐ困難な状況にあっても、命の糧である神の言葉が、人間の想像を超える方法でラオスの人々の渇いた魂に力強く届けられ続けるよう、祈っていただきたい。

■ ラオスの宗教人口
仏教 57・3%
プロテスタント 3・7%
カトリック 0・7%
イスラム 0・1%
土着宗教 34・7%

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石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。