
最高裁は、世界平和統一家庭連合(旧統一協会)の宗教法人としての解散を命じた東京高裁の決定を支持し、教団の特別抗告を棄却する決定をした。決定は22日付。国内メディアが23日、一斉に報じた。
旧統一協会に対する解散命令は、東京高裁が3月に決定した時点で既に効力が生じていたが、最高裁の決定により司法判断が確定した。
朝日新聞によると、最高裁は決定で、教団が1973年〜2022年の長期間にわたり、「組織的な関与」の下、不法行為に当たる高額な献金の勧誘行為を続けたと指摘。また、それに対して実効性のある措置を取っておらず、今後も信者らに勧誘を求める恐れがあると判断。信者らに及ぼす影響を考慮しても、解散命令は「必要でやむを得ない」と結論付けた。
日本経済新聞によると、教団は特別抗告で、解散命令により礼拝施設などの財産が奪われるなどすれば、組織として宗教活動を行うことができなくなると指摘。東京高裁の決定は、信教の自由を保障する憲法20条などに反すると主張していた。
これに対し最高裁は、解散命令は、信者の宗教上の行為を禁止・制限する法的効果は一切伴わないとしつつ、礼拝施設の処分などにより宗教活動に支障が生じ得ることは指摘。しかし、被害の程度や規模、組織性を踏まえれば、解散要件を満たすのは明らかと判断した。
解散命令により、教団は宗教法人格を失い、税制上の優遇は受けられなくなる。一方、今後も任意団体としては活動を継続することはできる。
決定をしたのは最高裁第3小法廷(渡辺恵理子裁判長)で、4人全員一致の判断。小法廷は裁判官5人で構成されるが、法学者出身の沖野真已裁判官は判断に加わらなかった。
沖野氏を巡っては教団が5月、過去のセミナー中の発言などを理由に偏見があるとして、審理から外すよう忌避を申し立てていた。しかしその後、最高裁は申し立てを却下しており、沖野氏が審理から外れた理由は明らかにされていない。
過去に解散命令を受けたのは、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教と、霊視商法で多額の供養料をだまし取り、幹部らが逮捕された明覚寺の2つの宗教法人のみで、旧統一協会は3例目。過去2例はいずれも刑法違反が根拠とされたが、旧統一協会は初めて民法上の不法行為が理由とされた。