
ナイジェリア中部ベヌエ州イェルワタで13日、宗教的迫害の犠牲となったキリスト教徒を追悼する記念碑の除幕式が行われた。記念碑の建立を支援した米団体によると、迫害の犠牲者を追悼する本格的なキリスト教の記念碑としては、同国で初めてのものだという。
イェルワタでは昨年6月、270人を超える住民が虐殺された。襲撃は、イスラム教徒が主体のフラニ族系の武装集団によるものとされ、父の日を前にした同月13日夜から14日にかけて発生した。
除幕式は、虐殺から1年となるのに合わせた追悼ミサの後に執り行われ、マクルディ教区のウィルフレッド・アナグベ司教が記念碑を奉献した。記念碑の建立は、地元出身の人権活動家フランク・ウトゥー氏が中心となって進め、迫害下にあるキリスト教徒を支援する米団体「エクイッピング・ザ・パーセキューテッド」(ETP)の支援を受けた。除幕にはETPの関係者らも立ち会った。
ETPの創設者ジャッド・ソール氏は、「彼らの名前は今や石に刻まれ、決して忘れられることはありません」と述べた。
「この記念碑は、彼らの命と信仰、そして何が起きたのかを世界が確かに記憶し続けるようにするという、私たちの決意の証しです。キリストにある私たちの兄弟姉妹への迫害は、必ず止めなければなりません」
除幕式には、さまざまな宗教コミュニティーの代表者や、襲撃を生き延びた人々が出席した。この襲撃では、約3千人が避難を余儀なくされたと推定されており、除幕式はそうした人々に支援物資を配布する機会にもなった。
ナイジェリアは人口の約半数がキリスト教徒であるにもかかわらず、キリスト教徒にとって世界で最も危険な国の一つとされている。
迫害監視団体「オープンドアーズ」が1月に発表した最新の迫害国リスト「ワールド・ウォッチ・リスト」(WWL)で、ナイジェリアは世界で7番目に迫害が深刻な国とされた。信仰を理由に殺害されたキリスト教徒の数は世界で最も多く、調査期間中(2024年10月〜25年9月)の死者は3490人で、世界全体の7割以上を占める。
ナイジェリアの多くの地域では、イスラム過激派や武装強盗団による暴力事件が頻発している。暴力の矛先は主にキリスト教徒に向けられているが、過激派に同調しなかったなどの理由で、イスラム教徒が犠牲になることもある。